太陽光発電協会  税負担に反対表明

太陽光発電への法定外目的税導入について

太陽光発電協会はこのほど、各自治体で太陽光発電への法定外目的税導入が検討されていることについて、税負担の多寡にかかわらず反対する立場を示した。


事業用太陽光発電所に設置された太陽電池パネルの面積に応じ、発電事業者に課税する法定外目的税導入の準備を進めている自治体が存在する。
太陽光発電は近い将来、自立した主力電源となることが期待され、長期的には純国産のエネルギー供給源として国(国民)と地域(住民)に大きな便益をもたらすことができるように、国と自治体そして事業者が力を合わせて育成していくべきであると考える。
もし、検討されている法定外目的税が一旦導入されると全国の自治体に波及する恐れがあり、太陽光発電のFITからの自立と長期安定稼働、そして主力電源化の妨げとなることが心配される。
協会では、2050年における国内の太陽光発電の稼働設備容量200GW(電源構成の20%程度)という目標を掲げている。目標達成のためには、いち早く自立化を進め少なくとも年間5GWの導入と再投資による長期安定稼働が不可欠で、このような法定外目的税は我々が掲げる200GWの目標達成の足かせとなる。
協会としては、全国の自治体に波及する可能性のある太陽光発電事業者を対象とした法定外目的税の導入には、その税負担の多寡にかかわらず断固として反対の立場をとらざるを得ないことをご理解いただきたい。
もし、検討されている法定外目的税が創設され全国の自治体に波及した場合、太陽光発電事業にとっては次のような影響が懸念され自立した主力電源化の足かせとなる。
①二重の税負担
太陽光発電事業者にとっては法人事業税や固定資産税と二重の税負担となり、新規投資や事業継続の意欲が削がれることが懸念される。
②公平な競争の妨げ
太陽光発電事業者に追加課税される法定外目的税は、自立化を目指す太陽光発電にとって他の発電事業とのイコールフッティングが損なわれ、公平な競争が妨げられる。
③事業予見性への影響
既存設備の事業者にとって、自治体が後から課税すれば想定された収益の確保がむずかしくなり、借入金の返済計画等の変更を迫られる恐れがある。
④自立化を目指しこれから事業を開始する事業者への影響はより深刻
FIT価格が下がっている太陽光発電の場合、売電収入に対する税負担割合が大きくなり、自立化に向け努力している事業者の採算性に与える影響はより深刻となる。
税率を、パネル設置面積1平方メートル当たり50円と仮定した場合、1kWhの売電収入に対し約0.3円の税負担となる(協会試算)。
1kWh当たり0.3円の税負担は、19年度の事業用太陽光発電(500kw未満)の買取価格1kWhあたり14円の場合、売電収入の2%に相当する。買取価格が下がれば売電収入に対する税負担の割合が増える。
⑤長期安定稼働の妨げ
国の主力電源となるには、20年のFIT買取期間終了後においても、長期間安定的に稼働することが肝要。この税が導入されれば、事業継続、並びに再投資の意欲が削がれ、長期安定稼働の妨げとなる恐れがある。

また、このような法定外目的税が全国の自治体に波及した場合、太陽光発電のFITからの自立や主力電源化の妨げになるだけでなく国(国民)と地域(住民)にもたらされる便益にも影響が及ぶことが懸念される。
①長期安定稼働がもたらす便益への影響
二酸化炭素を排出しない純国産のエネルギー資源から電気を創る太陽光発電は、20年のFIT買取期間終了後の長期安定稼働によって、より大きな便益を地域と国民にもたらすことが可能となる。
この税によって、長期安定稼働が妨げられれば、もたらされる便益を小さくしてしまうことが懸念される。
②地域振興への影響
太陽光発電事業者を対象とした法定外目的税によって、将来の新規投資・再投資、並びに長期安定稼働の足かせとなれば、固定資産税収入に加え、地産地消等の需給一体モデルの推進や発電設備の維持管理等による地域の雇用機会へも影響が及ぶ恐れがある。

太陽光発電事業において、地域との共生、環境の保全、健全な事業運営は最重要課題である。協会としては、自主的なガイドランの策定や啓発活動等によって事業者による地域との共生、並びに事業の健全化の推進に取り組んでいる。
例えば、2018年には「太陽光発電事業の評価ガイド」を策定し、現在その普及活動に取り組んでいる。
また、20年度から太陽光発電は環境アセスの対象となるが、小規模な発電設備も対象とした事業者による自主アセスのためのガイドラインが環境省によって策定される見込みとなっている。
法令遵守は当然のことながら、これらのガイドラインを最大限活用した事業者による自主的な取り組みや地域貢献型の太陽光発電事業の普及活動は、我々の重要なミッションである。

電材流通新聞2019年7月3日号掲載