【電材流通新聞主催】 第25回東京地区電設業界工・製・販座談会

 ――では、遠藤照明の鍛冶谷さん。
鍛冶谷 私どもでは無線調光の事例集を発刊しました。約1万現場を5年間でこなしてきまして、調光から調色まで、時間によって色が変わる。
最近では秋葉原のアトレで改装をしまして、時間によっても色が変わる。朝と昼と夕方と夜で、色温度と明るさが変わる。これからの照明は、ただつけっぱなしではなくて、色の変化、心理面に及ぼす影響も非常に大きいということです。
もう1点。「SmartLEDZ」はどちらかというとアンテナを取り付けまして、直径が70㍍まで、器具は200台までです。この単位でアンテナを増やしていきますので、比較的大きな現場が中心でした。スーパーマーケットですとかショッピングセンターなど。
それに対し、今回発売の「SmartLEDZ Fit」は、1台や2台でも調光・調色できます。アンテナはいりません、器具間がBluetoothでつながっていきますので、照明器具200台まででしたら、フィットにすることで照明器具の交換だけで調光・調色が可能です。工事店さんが面倒だとしている回路はあとで設定できますので、お施主さんと相談しながらいろいろ再設定できます。
それと今回、調光タイプを非調光と同じ価格で出しました。従来の感覚で取り付けていただいて、調光するのでしたら、スマートフォンでアンドロイドもしくはiPhoneで、できます。iPadにダウンロードできるソフトを提供いたしますので、まったくイニシャルコストがかかりません。
あと調色の機能も充実してきました。ベース照明だけでなく、ダウンライト、スポットライト、間接照明、すべての機種で充実してまいりましたので、いろいろな空間に対応できます。
最近では「働き方改革」ということで、発売して2カ月になりますが、店舗よりオフィスからの問い合わせが圧倒的に多い。会議室に使うとか、昼になるとランチタイムは電球色にして、ご飯をおいしく食べるとか、また帰宅を促す光として調光をかけて電球色にして残業を阻止するとか、そういった使い方も出てくるのではないかと思います。
施主さんに引き渡し前に、ちょっと明るすぎるのではないか、暗すぎるのではないかとか、雰囲気が思っていたのと違うとかいうことが、調整でなんとかなりますので、変更にも柔軟に対応できます。リスク管理のひとつとしてもご採用をと思います。

 ――では、日東工業の酒井さん。
酒井 私どもは盤メーカーですので、ZEH、HEMSについてお話します。とくにHEMSはエネルギーの見える化だとかコントロールというところが少し、そこにお金を使うということが一時と比べるとだいぶ落ち着いてしまっています。盤メーカーとしては、様子を少し引いて見ているのが現実です。
その代わり太陽光が、卒FITということで、自家消費という概念が入ってくる、それによって蓄電池導入という話が出てきます。日東工業では、単価は安いのですが爆発的にヒットしているのが住宅用分電盤に搭載するブレーカーの非常用と常用の切替えを手動で行う切替え開閉器です。アナログなものですが、住宅用ですと、それが非常に役に立ちます。
また、住宅用分電盤のなかにコンパクトに収納できる自動で電源切替えを行うタイプも取り揃えており、電源切替え製品はいま注目されています。このあたりは、ZE HだとかHEMSという視点から防災という考え方に移行してきている。
ですから切り替えをして重要な避難経路の電源だけは確保するとか、冷蔵冷凍を確保するとか、そういう製品がヒット製品として出てきています。
防災というところで、数年前から注目されている感震ブレーカーの普及活動に取り組んでいます。これは地域のエリア、エリアで導入しないと、なかなか電気火災は防止できないのですが、メーカーとして防災の取組みとしてご紹介させていただきますと、高機能感震ブレーカーの実証実験を首都圏で行っています。
避雷器と感震ブレーカーを組み合わせて、それを地域に配置して、雷の情報、地震の揺れの情報をIoTの技術を使ってデータを集め、それをクラウドに蓄積して、メールでの被害情報の通知や被害の迅速な把握や防災に活用するシステムを構築するものです。公益に資する活動をさせてもらっています。これが業界のビジネスにつながればと思って取り組んでいます。
EV充電器にも取り組んでいます。これはプライベートエリア(住宅など)とパブリックエリア(公共施設など)の2種類があります。住宅では、コンセント型が主流を占めています。日東工業では充電コネクターを置く場所がないなどコンセント周りのごちゃつきを解決する「Pit-C3」をご提案しています。
パブリックエリアのところで、注目しているのは補助金です。地域交通のグリーン化に向けた次世代自動車の普及促進事業という補助金があります。これは運送業者、トラック業者、公共のバス関係において、これを国策で電気自動車化していこうというなかで、そこに付随した充電器の整備が求められてきます。こういったところに注目をして、PRを続けていきたいと思っています。

――ではアイホンの宮尾さん。
宮尾 弊社はインターホンになります。まず戸建住宅系としては、7型タッチパネルのものを発売させていただいています。スマートフォンやタブレットから遠隔で応対できる。さらに遠隔地から電気錠の解錠などもできます。
今回のテレビ連動テレビドアホン「WP-24」シリーズは、昨今の宅配ボックスの普及にともないまして、宅配ボックスが開きますと自動的に録画をスタートする。さらにHEMSの見える化などとも連動しております。
集合住宅向けとしましては、リニューアル向け商品ということで、4つの「らく」をコンセプトに開発しています。映像を見るらく、使うのにらく、つながるらく、取り付けるらくです。弊社ではマンションのリニューアル用商品として「らくタッチPlus」を発売しています。
最近、スタートアップ企業さんがさまざまなケア商品を出していますが、弊社もIoT化したナースコールと連携しまして、看護士さんの動き、ナースコールにおけるビッグデータの分析といった産学連携の活動も行っております。
あまり金額的に大きくはありませんが、業務市場と言われている商品もあります。IoT対応のインターホンも発売させていただいています。遠隔地との通話や監視カメラ等との連携も可能です。
インターホンというのは、人と人とのコミュニケーションだということで私たちは営業させていただいてきましたが、最近は、いろいろな業者が出てきて、インターホンだけではなくて業界全体が変わってきたという印象を強く持っています。

 ――では河村電器産業の瀬川さん。
瀬川 河村電器としましては、ZEH、HEMS関連で売上げ単価が上がると期待していたのですが、あまり売れてない、やはり高い盤は買ってくれないのかというような状況です。
EV充電器もやっていますが、まだまだ普及はしていない。そのなかで急速充電器用の変電設備を結構入れていたのですが、さらに倍の出力がいると。これ以上変電設備を増やすというのは、なかなかむずかしい。それでいったん蓄電池に溜めて、それと協調することで急速充電器用に増やした変電設備をそのまま生かせるという形を考えております。
弊社はおかげさまで今年100周年を迎えました。1919年にいまの会長の祖父がシベリアから帰国して日本の現状を見、復興はまず電気からということでつくったのが弊社の始まりです。それから一貫して電気を安全に供給するという使命を抱いてやってまいりました。
アクティブディフェンスということで、ただディフェンスするだけではなくて、こちらから積極的にディフェンスしていこうというビジョンのなかで、メンタル的には感震ブレーカー、それとトラッキング火災というのが都内では結構多いということですので、それを防ぐためのコンセント、この辺を中心にやっています。

 ――マスプロ電工の堀さん。
 4K8Kということで、各機器はすでに変更されてきました。
そのなかで、戸建て用のブースターで、今回新4K8K対応の「トリプルブースター」というものを発売しました。これは利得の切り替えが3段階あって、45、35、27と切り替えられる。現場に行ったときに困らないということで、非常に好評をいただいています。
もう1点は、4K8Kの伝送というのは減衰がかなり大きいので、ファイバーを使ったシステムもだいぶいわれておりまして、改修工事に使いやすいようにということで、今回プラスチックファイバーを使ったシステムを開発しました。まだ衛星放送用だけとなっていますが、地上波まで対応できる機器を投入して4K8Kの普及に貢献したいと考えています。

 ――では、DXアンテナの古田さん。
古田 昨年アンテナ業界は2.5ギガから3.2ギガへ切り替えたということで、減衰が大きいことに対応すべく昨年末に高出力型のブースターを出しました。
それからアンテナから最初のブースターまでとか、宅内に落ちるタイプに対策するためのラインブースターのラインナップを増やしたりとか、宅内用のブースターのラインアップを増やしたりとか、そういうことをしています。新4K8Kのリニューアルに向けてのラインアップをいま充実させているところです。
改修工事の際、古いマンションなどで減衰が大きくなってしまって対策ができないというところでは、アップコンバーターとダウンコンバーターを増やした商品開発などを検討しています。年明け以降に、新商品の提案ができるのではと思っています。
助成金ですが、今年度の助成金は漏えい対策ということで、8月1日から今年度の予算が取れて実施されています。昨年は工事費の3分の1の助成だったのですが、今年は2分の1になったり、若干の修正が入ったりしています。詳細を調べて、みなさまにもお知らせしたいと思っています。総務省から助成金を取ってこられるよう、業界としても働きかけができればと考えています。

 ――工事業界のほうからは、何かありませんか。
新實 われわれもリニューアルの仕事が結構多い。いちばん困るのは、既存の器具についている機器との互換性がないことです。そこら辺をよく考慮していただきながら、新製品を開発していただきたいと思っております。一昨日も現場の者が「大丈夫だと思っていたのに、配線全部やり直しだよ」とぼやいていました。
照明器具も、とくに防水型、防湿型が、古い既存の建物では、おさまらないということが多々あるらしいので、代替えのものがないのかなどということがよく耳に入ってきます。

 ――平岡さん、メーカーを代表してお答えをお願いします。
平岡 ありがとうございます。とくに蛍光灯からLEDということになりますと、基本的にLEDのほうが小型、薄型の傾向にありますので、リニューアル用の器具などは、たしかにそこの工夫が少し足りなかった部分があります。そのことを念頭に商品のラインアップを増やしていきたいと思います。

 ――卸組合のほうからは、いかがですか。
加賀谷 いま機器がどんどんワイヤレス化しておりまして、工事店さんの手を離れてしまうことが結構あるのかなと思っています。そのへんを何とかしたい。それと工事店さんは弱電に弱いところがあります。
両方を合わせてみますとワイヤレスにはしたくない。ではどうするかというと、例えば、端末をチップ化できないか。送り側、受け側をパチっと挟むと、それで即、送りにも受けにもなる、そんな技術ができないだろうかと思います。
なおかつ、そのプロトコルは全部共通化してやっていただけたら。いまの技術水準なら、たぶん音声はすぐにできるだろう、おそらく近い将来には、映像までいけるのではないか。そうすると、それが工事屋さんの仕事になるのではと想像しています。メーカーさんには、その辺をやってもらえたら、うれしいなと思っています。

 ――平岡さん、それについていかがですか。
平岡 可能かどうかは分かりませんが、おっしゃる通り、単発の機器の販売とかではなくて、もう少し組み合わせるような形で、工事業界さんのお役に立てるような商品を作っていかなければと思います。

 ――東芝ライテックの大矢さん。
大矢 具体的にお答えできるレベルではりませんが、さきほど申しあげたLEDの録画機能付き照明機具といったような形で、工事店さまのお仕事につながるような商品を考えていかなければいけないなと思っています。

 ――津瀬さん。
津瀬 やはり業界の生き残りのためになにかを作ろうといっても、ユーザーメリットが乏しければ、むずかしいと思うのです。
もうひとつ、オールジャパンでやることと、各メーカーが競争すること。これは明確に分けてやらなければと思っています。
いまおっしゃったようなことは、オールジャパンで、施主側のメリットがあれば、技術的にやれないことはないと思います。

工・販業界の将来展望

 ――では各業界の将来展望について。岩田さん、青年部の動きについてお願いします。
岩田 事業部では、青年部を一生懸命応援しているところです。青年部の方は現場をやっている方が非常に多い。親会の事業部としてはそれを応援することが、非常に大 きな仕事です。
青年部の方は、組合の仕事をやりながら自分たちの仕事もやっていますので、なかなか時間が取れない。会議もいつも土曜日の夜にやっている。
いずれにしろ、青年部の方が頑張ってくれないと、その次の代がない。青年部があって親会があるということです。かつては親会があって青年部があるという時代がたしかにありましたが、いまは全く逆です。
私たち、事業部としては、できる限り時間を割いて協力させていただく。組合は青年部の力を借りてなんとかやっているというのが現状です。

 ――小島さん、東青会のほうはいかがですか。
小島 加賀谷さんが力を入れてつくられたのですが、かなり会員数が減ってきております。

 ――いまは何名ですか。
小島 17です。やっとヨチヨチ歩きになって懇親が図れ、コミュニケーションが取れるようになってきたところです。
今後詰めていきながら、都工組青年部さまの意見も聞きながら、やっていければと思っています。

 ――働き方改革と女性の活用について。天野さん、工事業界はどんなようすでしょうか。
天野 私どもは東電材さんにたいへんご迷惑をかけているところがございます。商慣習が、どうしてもわれわれは事務所に帰って来てから営業に来ていただくというような形になっております。ここは東電材さんとのおつき合いを考えなければいけないのかなあと思っています。
個々の会社も、休暇の取得、時間外の制限もございまして、私どもは社労士を組合で契約しておりまして、相談しながらどういう就業規則をつくればいいのか、どのような形態でやればいいのかなどを学んでいるところです。法的には猶予期間がありますので、その間に何とかしなければいけないと思っています。
私の会社でも休暇がそっくりずうっと40日あるというような人がいます。休暇を取らないのか取れないのかは、なんともいえないところですが。今年度から5日は必ず休みなさいということを、休暇を取っていない人に命令をしたところです。
会社に来ていたほうが安心するというようなところがあります。休めば金がかかる、という人もいます。われわれ零細業で働いている人は、休暇が足りないなんていうのは、ひとりもいないです。女性従業員には1人くらいいるかもしれませんが。これをどのように取得させるかということが、われわれの課題かなと思っています。
それと時間外労働の削減が、どうしても建築の会社に引っ張られて、できないというところがある。国交省もいろいろやっているようですが、建築業界が変わってくれないと、われわれも変われないというところがあると思います。これは業界全体の課題かなと思っています。
女性の活用ですが、渋谷にモデル的な会社があるのです。女性だけで10人くらいのチームをつくってやっている。そういうモデルはなかなか他には波及できないということもあるかと思いますが、全日電工連でも、女性の電工を増やそうという活動をしております。2年に1回の全国技能競技大会でも、女性を出場させてすそ野を広げようと活動しています。ただ、思うように進んでいないのが現状です。

 ――では小島さん、お願いします。
小島 働き方改革ですが、これは有給の消化ですとか、長時間労働は来期以降ということです。東電材でも働き方改革の講習などを行っているのですが、企業さんによって、だいぶ差があるのかなということです。
話を聞いていますと、広域代理店の会社さんなど比較的この4月以降は、夜7時とか7時半以降になったら会社を閉める努力をしているところが出てきています。そこは中小には、温度差がある。
ただ休みに関しては、例えばゴールデンウイークで10日間休んだり、夏休みも9日間休んだりと、有給の取得の一部をそういうところにもっていく会社さんもあって、業界としては、いままでよりは休暇が多くなってきたのかなという感じです。
都工組さんには、ご迷惑をおかけしているところがあるかもしれません。ここらは、国の方針ということでやらざるを得ないのですが、もう少しバックグラウンドの仕事をどうしていくのかとか、働き方の仕方を変えていくといったところは、もう少し時間がかかるのかもしれません。
時間内に収めなさいというのは、社員のみなさんには負担をかけているのではないかという気もしています。
女性の活用については、電材業界で進んでいるという話はあまり聞いていません。ただ住宅の電気関係の現場には、当社の場合、2人の女性が営業をしています。苦労もしていますが、今後も増やしていこうということで、やっています。それには、社内のバックアップ体制も必要になってくる。
業界全体ではなかなか人が集まらないということがありますが、女性のほうは比較的集まりやすい。当社では、この10年くらいで4倍くらいになっています。

 ――全日電材連の動きはいかがですか。
小島 全日も女性を活用したいとは思っているのですが、全国的にうまくいっている事例はまだまだ見当たりません。
東青会には女性の参加者もいるのですが、全国の若手の会になると、女性が参加しているのは、東電材だけです。全日も、まだまだ女性の活用というところまではいっていません。

――IoT、AIの需要創造について。これは平岡さんからお願いします。
平岡 どちらかというと、いまのところ言葉が先行しているところがある。深く掘り下げていかなくてはという分野かなと思います。
IoTは、つながるというとこだけにおさまっていますと、ユーザーメリットというところで、いまひとつ訴求力がない。モノからコトへということがよくいわれていますが、コトの部分がお客様にどんなメリットがあるのか。メーカーも、競い合う部分と共創の部分について、お互いに知恵を出し合いながら、業界としてどんな提案ができるのか、できりだけ早く模索して、三者で取り組んで行きたいと考えています。

組合組織の充実化

 ――会勢の拡大について、天野さんお願いします。
天野 特別委員会を設けました。来月開催するのですが、いままでの例にとらわれず、どうしたらいいのか、奇想天外の意見でもいいといって、委員を募りました。それの具体化に進もうと思っています。1、2年かけて取り組んで行きたい。
免状交付という事業がありますが、いま47都道府県のうち、22府県で受注しています。東京もということで、受注に向けた活動を進めています。
組合がやっていれば少し便宜が期待できるかもしれない。そういうことで、組合に入ってくれる会社があればいいなあと。
第1種工事士の更新は5年に1回あるのですが、いま全日が写真を取り替えようという運動をしています。30年前に撮った写真などが貼ってあって、実物を見ると髪がなくなっているとか、真っ白になっているとか、しわが多いとか、写真が本当に本人かどうか分からない。
それで運転免許証を一緒に見せてくださいという形で講習を行っているのですが、今度、免許証を書き変えようという動きが出ています。経産省も、その話に乗っかって、そういう方向に近いうちになるのではないかと思います。
第1種の方たちとそういう形で接点ができれば、組合への加入という話も出てくるのではと思っています。

 ――では東電材、小島さん。
小島 会員の勧誘ですが、商売をしていてまだ組合に入っていない方たちは実は少ない。ただ少ないといっても、それはそれで考えなくてはいけない。例えば1次店の卸さんのなかでまだ東電材に入っていないところがないか、紹介してもらえないだろうかという話もしているのですが、なかなか具体的にどう増やしていくのか名案が浮かばない状態です。

 ――都工組さん、東電材の皆さんには事業所にポスターを貼ってもらっているのですよね。
天野 はい、加賀谷理事長時代にお願いしてやってもらっています。
ただ、その成果がまだで、どうしたらいいかも検討していかなくてはと思っています。

 ――西野さん、何かありますか。
西野 天野理事長さんがおっしゃった免状の交付は、ぜひとも業界をあげて進めてゆきたいと思いっています。その辺はぜひ、ご協力をお願します。
横森 さきほどメーカーさんのほうからスマートフォンなどを利用してという話がありました。私たちがつくりたいものではなくて、需要家さんが何を欲しているのか、がいちばん重要だと思います。
業界のなかで、まだ先かもしれませんが、世界の名だたる会社として、例えばアップルだとかグーグル、フェイスブック、アマゾンなどは私たち流通業のものをかなり牛耳っている。
さきほどのインターホンに関して言えば、これからグーグルの力がどんどん日本に押し寄せてくるのではないか。インターホンだけではなくて、照明などもどんどん入ってくると思っています。
要するに今後私たちの業界が自分たちの範囲ではなくいろいろなところから矛先が向いてきている状況だと思います。そのなかで、陣地を守るというだけでは弱い。自分たちが、良いものを作っていくと。その際、オールジャパンでやっていかなければ仕方のないところがたくさんあるはずです。
強い人たちがトーンと入ってきたとき、極論すれば、我々の常識がひっくり返る、そんなこともあるのではないかと思います。世のなかは、そういうふうに動いているということも事例としてある。オールジャパンとしてどうしていくのだということを考えてもらいたい。
工事の方々に関しては、日本の規格だけではなくてひょっとしたら向こうの規格も覚えなくてはいけないとか、そういうことがあるかもしれないし、ないかもしれない。
日本という市場をわれわれがガシッと受け止めるという形で、考えていく必要性があるのかなと思っています。
お願いも含めてお話させていただきました。

 ――どうもありがとうございました。

電材流通新聞2019年9月26日号掲載