低収益にリベート追い打ち 19FY業態調査アンケート 全電連


全日本電線販売業者連合会(全電連)は8月、19年度業態調査アンケート(会員103社、回収率81%)を実施した。これによると、前年と比べ配送費、小口配送などで一部改善がみられるが、全体では状況が変わらない。また、リベートの問題が低利益に追い打ちをかける状況が明らかとなった。


流通が抱える問題(複数回答可、回答数179)で最も多いのは「粗利の確保」25.1%となり、「価格低下」19.0%が続いた。今年から回答項目に追加された「配送問題」17.3%が次に多かった。この後「過剰サービス」12.8%、「リベート・協賛金」9.5%、「販直費増」7.3%、「需要減退」6.1%となった。
この問題に関し、「むやみな価格競争が多い」や「赤字販売のケースがある」といった意見が多く、低収益が続く環境下、切断配送費が流通の大きな負担となっている。配送料は、昨年に比べて「もらいやすくなった」が50.6%となった一方で、「変わらず」は24.1%ある。配送の問題で「運賃の値上がりが価格転嫁できていない」も目立ち、一部で改善が進むものの、依然変わっていない現状がある。
また、「運送業者の人手不足が続くなか、着時間が遅れ気味となり、今後も時間指定は難しい問題となる」という意見も多かった。時間指定配送の実施率は50.6%(前年比0.6ポイント増)で上昇した。
小口配送の実施状況の問いでは、実施率は64.5%(同11・1ポイント減)で減少したが、請求率は61.4%(同2ポイント減)で請求しないケースが増えている。請求しない理由(複数回答可、回答数131)は、「金額や客先による」が3割、「継続顧客の為」が1割弱を占める一方、「製品単価に含めている」は1割強に留まった。
切断作業の実施状況は、81.3%(同0.4ポイント減)、請求率は31.9%(同7.5ポイント増)で自社切断のため費用を請求できないケースが多い。製品単価への折り込みは、「折り込んでいる」42.1%、「折り込んでいない」40.9%、「無回答」16.9%で厳しい現状が浮き彫りとなった。
また、リベート問題を抱える流通は4割弱に上った。「リベートの支払いが業績を著しく圧迫」、「リベート利率が高い」、「リベート合計金額は合理的な範囲を超えている」と低収益に追い打ちをかけている。
ただ、「同業が実施しているので廃止できない」ため改善交渉が難しい現状がある。さらにリベートを「仕入れ先からもらっている」25.8%、「客先に払っている」38.2%、「無回答」36.0%となった。

電線新聞 4184号掲載