電線工業会調べ 主要7部門の出荷19暦年の総計69.7万t(0.2%増)

建販(4.1%増)、車(6.7%増)下支え
光ケーブルは中国が減速し17.2%減

電線工業会がまとめた19暦年(1~12月累計)の通期銅電線主要7部門別出荷数量実績によると、総計は69万6千547㌧で前年比0.2%増加し、3年連続で伸長した。建設電販と自動車の2部門が全体を底上げし、トータルでわずかにプラスになった。

一方、金額ベースでは1兆2千249億4千400万円で同±ゼロとなった。銅価が前年比6万5千円ほど下落したのが響いた。ただ、自動車(同8.3%増)、建設電販(同0.8%増)、その他内需(同2.5%増)の3部門が前年を上回った。また、建設電販は出荷量が自動車の3倍以上だが、出荷金額は自動車よりも低かった。

光ファイバを含む光製品は、内需が657万6千㎞C(同0.7%減)で前年並みも、主力の輸出が3千413万5千㎞C(同19.7%減)と減速し、総量は4千71万1千㎞C(同17.2%減)と踊り場に差し掛かった。19年5月以降、8カ月連続で前年同月を割り込んでいる。世界最大の需要国の中国で、光化投資が鈍化したのが響いた。同時に中国勢などの光ファイバ製造への過剰投資で、シングルモード光ファイバが、ややダブつき、光ファイバ単価がグローバルで下落している。

銅電線ケーブルの部門別出荷をみると、プラスグループは通信、自動車、建設電販の3部門になった。通信はCCPなどが鈍いものの、データセンター向けLANケーブルやトンネル用などの同軸、携帯電話基地局用高周波同軸などが健闘し、同0.3%増とわずかに増加した。自動車は、クルマの生産台数とリンクしほとんどの月が前年を上回り、同6.7%増と好調だった。建設電販は、東京五輪・パラリンピック向け施設需要に加え、都市再開発やインバウンド用ホテル建設、学校のエアコン絡みの需要が下支えし、同4.1%増と順調に推移した。

一方、マイナスグループは4部門になった。電力は、終盤に洋上風力発電向けが動き出したものの、経年変化によるOFからCVへの張り替え需要があまり進まず、保守メンテが主力になり、総じて伸び悩み、同3.5%減少した。電気機械は、米中貿易摩擦などの影響によって、16カ月連続で減少し、同7.8%低下した。その他内需も、設備投資などに連動し伸び悩み、大半の月が前年同月を下回り、同4.0%減となった。輸出は、一昨年多かった超高圧案件などが、19暦年に伸び悩んだのが響き、同14.0%減少した。

電線新聞 4192号掲載