LED照明特集

メーカー各社の商品戦略

パナソニック

独自の波長制御技術で 赤色の再現性向上

LED電球「プレミアX」
現在、LED電球ラインアップの最上位機種「プレミアX」8機種を発売している。
同社独自の波長制御技術で従来品と比較して黄ばみを抑え、赤色の再現性を高めた。これにより、人の肌や料理、生花などの色がより自然に美しく見えるようになった。また、長さ98㎜・外径55㎜の白熱電球と同じ寸法で形状も近づけることにより、より白熱電球から取り替えやすくなった。さらに、新たな光色として、電球色の温かみと昼白色の明るさ感を両立させた「温白色」を加え、部屋やシーンに合わせた好みの光色を全4光色から選ぶことができる。

新型LED投光器「グラウンドビーム」
このほど、軽量・省エネを両立したスタジアム・多目的アリーナなどスポーツ施設向けの新型LED投光器「グラウンドビーム」15品番を発売。マルチハロゲン灯Sタイプ1000形器具相当広角タイプは、業界ナンバーワンの軽さで工事の作業負担を軽減するとともに、業界最高クラスの省エネを実現する。グラウンドビームは、放熱フィンの薄型化や明るさや配光ごとに最適な放熱設計を実施するなど同社従来LED投光器と比べて40%以上の大幅な軽量化とともにLED回路設計の最適化により150lm/W以上の業界最高クラスの省エネ性能を実現、簡単段調光機能も標準装備する。

演出照明「TOLSOシリーズ BeAm Free」
「TOLSOシリーズ」は、店舗空間に求められる「美しい光」と「シンプルなデザイン」へのこだわりを追求する。今回、美しい光とグレア低減はそのままで、2種類のレンズを組み合わせた同社独自の光学設計により、配光調整機能を備えた新製品を開発。従来は配光によって異なる品番を手配・購入する必要があったが、本製品は施工後のレイアウトや展示物の変更などに応じて、設置後でも現場で配光を調整できる。

東芝ライテック

高天井器具 軽量、高出力を実現

同社では、LED高天井器具「軽量ハイスペックタイプ・軽量まぶしさ低減タイプ」を今月発売する。従来品からさらなる軽量化や高出力化を実現。グレー塗装へモデルチェンジし、施工性も向上させた同製品は、工場・倉庫、アリーナ・体育館などへの導入が期待されている。

【おもな特長】
①さまざまな用途にマッチするグレーの本体色
本体のカラーを黒塗装からグレー塗装へ変更。目立ちにくく、スポーツ施設や工場、倉庫など、さまざまな用途にマッチする。
②さらに軽量化を実現した高出力タイプの2機種
③端子台の仕様変更により施工性を向上
指でつまむだけでリリース可能な端子台採用。施工性がより向上した。
④夏季の一時的な高温にも対応
使用温度範囲は、マイナス10℃~40℃。夏の猛暑日などに60℃まで気温が上昇する空間でも、一時的であれば使用できる。
⑤緊急避難所に求められる機能に対応
耐震クラスS2、非常時用の100V電源(自家発電機)でも点灯可能、適合調光器(別売)により調光が可能。
⑥光源寿命6万時間(光束維持率90%)
適切な放熱設計で光束維持率90%を実現。長寿命により省メンテナンスに貢献する
⑦明るさ5タイプ×配光2タイプの豊富なラインアップ
軽量タイプ(光源寿命6万時間)も、まぶしさ低減タイプも、設置高さ10~15mの1kW形メタルハライドランプ器具相当から、設置高さ6mの250W形メタルハライドランプ器具相当まで、豊富なラインアップを用意。さまざまな用途に利用可能。
⑧まぶしさを低減する基本設計
軽量タイプ(光源寿命6万時間)は遮光角25度。見上げた際にLED素子が目に触れにくくなっている。さらに、まぶしさ低減タイプは、拡散性カバーが一体となった下面カバーによりまぶしさを低減。工場など上を見上げる作業やスポーツ施設などにもおすすめ。

三菱電機照明

さまざまな施設で リニューアル促進

同社では現在、さまざまな施設におけるLED照明へのリニューアルを促進させる各種LED器具のラインアップの充実をはかっている。
ライトユニット形ベースライト「Myシリーズ」においては、オフィス向けのシステム天井用蛍光灯器具の既存器具を活かしたリニューアルタイプを発売。昨秋には既存蛍光灯器具と同サイズの長さで天井焼けをカバーすることのできるリニューアルサイズの器具本体を、さらに昨年末にはリニューアル時に既設器具の吊ボルトの調整が不要なリニューアルタイプ器具を発売。
既設蛍光灯器具の吊ボルトの長さを変更せずにLED化できるようにMyシリーズの器具高さを変更し、施工性を向上させている。
誘導灯についても一般形/長時間定格形のC級、B級(BL級、BH級)について施工性向上を目的にモデルチェンジ。電源穴を大きくすることで壁面直付取り付け時の電線管施工が可能となり、また背面に過去販売していた冷陰極誘導灯用の取付穴を追加、リニューアル施工が容易になった。

工場、倉庫向けLED高天井用照明ベースライト「GTシリーズ」は昨秋以降、さまざまな特定環境で使用が可能な産業用タイプについて再編・モデルチェンジし、対応可能な施設が拡大。昨年末には耐硫化・耐油煙・重耐塩タイプを新たにラインアップ、ゴム製品やタイヤ製造などで発生する硫化ガス、腐食性ガスを含む空間で使用が可能となっている。
「特殊環境用を含む高天井照明器具GTシリーズ」はこのほど、2019年度省エネ大賞・省エネルギーセンター会長賞を受賞。省エネ性、コンパクト・軽量性に加え、これまで過酷な環境のためLED化できなかった施設においてもLED照明導入が可能となったラインアップの充実が高く評価された。

岩崎電気

停電補償装置 最大3夜連続点灯

このほど、自然災害や事故による夜間停電時の危険や不安を和らげ、必要最低限のあかりで最大3夜連続点灯を維持する防災用LED停電補償装置「LEDioc ANSEEN(アンシーン)」を発売した。
平常時に商用電源からバッテリーに充電しながら夜間100%点灯し、停電時にはバッテリーにより平常時の約10%の明るさで自動点灯する。最大で3夜連続点灯が可能な停電補償装置ということで新設はもちろん、既設の街路灯や道路灯、公園灯の照明ポールにも設置できるため、低コストで導入できる。発生が予測できない災害時において必要最低限の明るさを確保する。

【おもな特長】
1、停電発生時は調光して点灯を維持
平常時にバッテリーに蓄えた電力で停電時に自動点灯する。約10%の明るさで最大3夜連続点灯が可能で、昼夜検出センサにより夜間に点灯、電力使用を必要時のみに制御する。
2、既設ポールにも設置可能で低コストを実現
新設はもちろん既設の照明ポールにも取付けが可能なため、低コストで導入できる。
3、バッテリーチェック機能付き
点灯制御ボックスの外からは停電時に表示ランプによってバッテリー残量を確認できる。点灯制御ボックス内部のチェックボタンで器具点灯およびバッテリー残量を確認できる。
4、選べる平常点灯時の点灯制御タイプ
2種類の点灯制御タイプから平常使用の状況に応じた選択ができる(停電時は昼夜検出センサで動作)。
連接タイプ:分電盤などで点灯・消灯制御
単独タイプ:点灯制御ボックスの昼夜検出センサで点灯・消灯制御

大光電機

“うなり音”大幅に軽減

しずかな調光
逆位相調光器と対応器具
静音性に優れた逆位相調光タイプの調光器と対応照明器具を発売
DAIKOでは、静音性に優れた逆位相調光タイプの照明器具と調光器を2019年12月末に発売した。従来の位相制御方式の調光器と調光対応LED照明器具の組合せでは、調光器とLED照明器具から発生する「ジー」という“うなり音”が聞こえる場合があったが、逆位相タイプの調光器ではその“うなり音”が大幅に軽減された。寝室などの静かな空間で調光して使用する場合におすすめとなっている。
照明器具は、ダウンライト、間接照明、ブラケットなど寝室で使用できるベーシックな製品をメインに展開。専用のパンフレットも発刊し新製品を含む252点を掲載している。
また、2020年4月発刊予定のカタログ「D-STYLE LIGHTING 2020-2021」にもさらにラインアップを拡大して掲載する予定になっている。

コイズミ照明

X-Proシリーズ 光の質にこだわる

◇X-Proシリーズ
同社は昨年末、店舗施設用照明器具の新製品「X-Pro」シリーズを発売した。
X-Proシリーズは常に進化を続け、高度なLighting Innovationを実現するプロフェッショナル向けプロダクトラインアップ。すべてのダウンライトを設計思想から見直し、光の質にこだわった。ベースダウンライトとユニバーサルダウンライトを空間に合わせて「グレアレス」「深型」「浅型」から選択できる。開口径、枠色、パワーレンジを隙間なくラインアップし、同じデザインで照明設計をすることが可能。

【特長】
①フレアのない光にこだわった配光設計
X-Proでは、リフレクタのみで「フレアのない光」「ムラのない照射面」に徹底的にこだわった。とくにグレアレスでは、フレアのないシャープな光を実現。無駄な光が無いため照射物のピックアップ効果が高まる。浅型タイプでもフレアを軽減。
②抜けのないラインアップ
ベースダウンライトとユニバーサルダウンライトでそれぞれ「グレアレス」「深型」「浅型」の3種類を用意している。グレアレスと深型では黒色枠を標準ラインアップしており、調光調色やDALI対応などのニーズにも応える充実のラインアップ。新たに浅型ではφ175、200、250、300の大開口径も用意。リニューアルプレート要らずで、改装案件にも使える。
③点灯感を感じさせない黒色鏡面コーン
グレアレスダウンライトは鏡面コーンと新たに黒色鏡面をラインアップ。光学、構造設計をゼロから開発し、独自の塗装技術と合わせて、コーンのまぶしさと空間への光の映り込みを極限まで抑えた。天井の光の点灯感や壁面への無駄な光がなく、照射物のみをシャープに演出する。

星和電機

非常用器具でもラインアップが充実

同社では、オールLED化を志向し、非常用LED灯器具においても、ラインアップの充実をはかっている。

防湿・防水形非常用LED灯器具「VYAA・VYBAシリーズ」
保護等級IP55に適合し、粉じんが発生する屋内環境や屋根のない屋外環境に設置可能。固有エネルギー消費効率は、142lm/Wと防水形非常用で業界最高クラスのエネルギー効率を実現。全160機種と製品バリエーション豊富で、設置場所に応じて最適な機種を選択できる。

防爆形非常用LED灯器具「VZBA―V2シリーズ」
IEC規格整合(国際整合防爆指針)に適合し、爆発性危険場所ZONE1・ZONE2および水素ガスが発生する場所でも使用できる。これ1台で通常時・非常時とも安心・安全なあかりが確保でき、防爆エリアでオールLED化が可能となる。

密閉形非常用LED灯器具「VCMAシリーズ」
保護等級IP55に適合し、粉じんが発生する屋内環境や屋根のない屋外環境に設置可能。同社独自の光学設計技術を生かし、配光制御による明るさ確保により、通常時・非常時ともに効率的な明るさを実現。とくに、非常点灯は、従来光源(蛍光灯)の製品よりも設置間隔が広くとれるため、設置台数の削減が可能で、イニシャルコストを低減する。

オーデリック

明るさと色温度に加え 動きも簡単制御

同社では、Bluetoothを使った照明コントロールシステムの「CONNECTED LIGHTING」のラインアップを強化している。

「MOTOR DRIVEN SPOT LIGHT」は、明るさと色温度に加え、「動き」もBluetoothによる無線でのコントロールを可能にした製品。モーター内蔵でスポットライトに求められる縦振り、横振り、そして配光角度の調整(ナロー16度からワイド47度)をタブレットで指先ひとつで簡単に行える。ショーウィンドウ、ショールーム、イベントスペース、美術館・博物館等、ライティング調整が困難で変更が頻繁な現場でも全体を見ながら細かく調整することができる。また、複数の器具のアングルを最大26パターンまで登録できるので、他のアングルに変更しても登録したアングルを呼び出してワンタッチで再生できる。明るさや色温度の状態と合わせて「シーン」として登録でき、たとえば時間帯別にそれぞれのシーンに変更するタイムライン制御も可能となった。明るさはCDM-T35Wクラスで、同社店舗用照明「TUMBLERシリーズ」に位置づけられる。
Bluetooth SENSOR「OA253392」は、配線工事が不要で後付けで設置できる人感センサで、CONNECTEDシリーズの照明器具との組み合わせでキッチン・トイレ・廊下・ロフト空間などあかりのセンサ化を簡単に実現させる。天井面にも壁面にも取付けられ、感知エリアはユニバーサルに調整できる。ON・OFFボタンで連動された照明器具の強制点灯や消灯もでき、明暗センサ(設定照度は5段階)によって人感センサ感知後の点灯時間は5段階に設定できる。

遠藤照明

無線調光システムさらに進化

納入実績1万件を超える、無線調光システム「Smart LEDZ SYSTEM」が進化し、ユーザーの要望にさらに”Fit”する「Smart LEDZ Fit(スマートレッズ フィット)」として新登場した。
無線調光システム「Smart LEDZ」がさらに進化。「スモールに始めたい」そんな要望にも“Fit”!

【おもな特長】
①お手軽システムで簡単スタート!
対応照明器具を設置し、スマートフォンに専用アプリ(無料)をダウンロードすれば、特別な工事不要ですぐに照明コントロールを始められる。
②調光も調色も思いのままに!
スマートフォンでの直感的な操作で、色温度と明るさを個別に調節可能。空間に合わせ、最適な明かりへ簡単にチェンジできる。
③非調光よりもローコスト!
「Smart LEDZ」対応照明器具を非調光照明器具と同価格に改定した。さらに「Smart LEDZ Fit」ならば、最適な調光率設定による省エネ運用で、電気代を削減できる。「調光タイプ器具は高い」という概念を覆し、「照明コントロールが当たり前」といえる時代創造を目指す。

プリンス電機

棚下照明器具に高い評価

施設・機器照明の専門メーカーで60年以上の歴史を持つ同社は、CSR活動などを積極的に行い、地域社会での評価も高い。
現在、LED照明である「ディーライン」シリーズのなかで、LED棚下照明器具である「Jシリーズ」Aタイプを発売し、市場から高い評価を得て、売り上げも好調である。直下照射型で棚前面を明るく照らす透明カバーが特長で、全長は410㎜、560㎜、710㎜、860㎜、1160㎜をラインアップ。薄型コンパクトなサイズ設計となっており、W900サイズは定格消費電力5・3Wで、大幅な省エネを実現している。
また、オプションパーツは、リニアコンセント用2P電源コード、渡りコード、スライドフック、マグネット取付金具、電源コード、コードマグネットなど、豊富なラインアップを誇る。こうした別売りのパーツを使用することで、複数の電源の取り方が選べる仕様となっている。

ホタルクス

子供部屋向けに かわいいデザイン

このほど、子供部屋・寝室に向けたかわいいデザインのインテリアシーリングライト4種類を発売した。
自宅でのくつろぎがストレスを軽減することに着目して開発したもので、子供部屋には「銀河鉄道」と「お城物語」を、寝室には「葉の環」と「花火」をあしらっており、20種類のデザインから顧客や一般社員の声をもとに4種類のデザインに絞った。

【おもな特長】
①停電時にもほのかに見える「ホタルック機能」を搭載
消灯時に停電が発生した場合にホタルックLEDが自動点灯し、ブルーグリーンの光で周囲を確認。日常生活においても、消灯後に同様の光で部屋の移動時に視界が確保される。
②「かんたん留守タイマー」を搭載
不在時に照明器具が自動で点灯や消灯を繰り返すことで在宅を装い、防犯面にも配慮。これまでタイマーの設定は時刻指定など面倒な操作が必要であったが、今回のものは「留守番ボタン」を押すだけで簡単に設定することができる。あらかじめ任意の点灯、消灯パターンがプログラムされており、「留守番ボタン」を押す回数で3通りの設定が可能。
③50パターンの「調色×調光」設定
生活シーンに合わせて光色と明るさをコントロール。ナチュラル(昼白)色時の最大光束値は日本照明工業会が定める適用畳数表示基準で最も明るい数値であり、アクティブ(昼光)色時の光束値も上記表示基準内にしっかりと収めている。

因幡電機製作所

小型・軽量で高い安全性

LED道路灯「LW―7シリーズ」
高い安全性能とさらなる小型・軽量化を兼ね備えた新型道路灯である。
従来品のLW―3シリーズから約60%のボリュームダウン。質量は約半分の5㎏程度まで軽量化に成功。風圧荷重算定における受圧面積も大幅に低減した。従来では、フタを開いたときに器具の大きさの範囲外にはみ出すことから、作業時のアームへの干渉や嵌合時の芯合わせなどで苦労するケースがあった。
LW―7シリーズは、可動蓋を後開きにすることでアームへの干渉や芯合わせが容易になり、作業性が向上した。また、下落防止ワイヤーが2本取付けることが可能で、万が一の際の器具下落リスクを軽減する。従来品より、さらに安全性が高まった。

電材流通新聞2020年2月6日号掲載