校内のネットワーク構成例(出展:文科省HP)
国内LANケーブル市場で、CAT6A普及に追い風が吹きそうだ。文部科学省は19年12月、学校のICT環境を整備するGIGAスクール構想を打ち出し、19年度の補正予算2千318億円を計上。LANケーブルの標準仕様は10Gbpsで接続可能なCAT6A以上、としている。業界筋によると、需要は7月の夏休み頃から立ち上がる見込み。
文部科学省は19年12月、全国一律のICT環境を整備する「GIGAスクール構想」を打ち出し、19年度補正予算で2千318億円を計上した。この構想は、①23年度までに国公私立の小・中・特別支援学校で一人1台の学習用PCを持つことを目指しており、これに先駆けて②20年度中に希望する全ての小・中・特別支援・高校などで校内LAN配線を整備する。
同省は、学習者用PCと校内LANの整備に向け、標準仕様書を作成した。これによると、LANケーブルの整備は10Gbpsで接続可能なCAT6A以上を指定。PCはウインドウズ、クロームOS、iPadOSの3つのOSごとの標準仕様を提示し、5万円程度の価格帯とした。
文科省が自治体向けに発表した校内LAN及び電源キャビネットの適正積算事例によれば、8学級の中学校ではCAT6Aケーブル300m6万円(1mあたり200円)、35学級の小学校ではCAT6Aケーブル1千880m46万円(1mあたり245円)としている。
文科省によると、(3月24日時点で)自治体は、国への補助金交付申請書の提出が終わり、交付が決まって補助金の払い込みを待っている段階だ。一部の業界筋では、「LANケーブルの需要は7月の夏休み頃から立ち上がり、年末の冬休みにかけてピークを迎える見通し。ただ、新型コロナウイルスの影響で夏休みを短縮する学校もあるとみられ、これに施工業者の人手不足が加わって21年の3月末まで続く」とみている。