【国交省】洋上風力発電設備等向けの教育訓練ガイドラインを策定

建設工事、メンテナンスの作業員の安全確保に向けて

国交省は、洋上風力発電設備等の建設工事やメンテナンスに従事する作業員の安全面の留意事項等を取りまとめた「洋上風力発電設備等の建設工事等の作業員の教育訓練ガイドライン」(第1図)を策定した。

●背景
海洋開発が進む欧州では、石油ガス産業を中心に洋上での建設工事やメンテナンスの作業安全活動(HSE活動)が実施され、洋上風力発電設備等の建設工事等でも導入が進められている。
日本国内でも同様に洋上風力発電の導入の機運が高まり、今後、洋上風力発電設備等の建設工事やメンテナンスに従事する作業員の増加が予想される。

●海特有の危険性
洋上での作業は、強風や波浪のある厳しい気象条件の下で行われる。さらに、船の揺れにより、固縛不十分な積荷が作業員と衝突するなど、陸上とは異なる危険性がある。そのため、作業員は洋上で安全に作業するための留意事項を、必要な知識とともに習得することが必要となってくる。

●ガイドラインの策定
これを受けて、国交省は平成30年度から「海洋再生可能エネルギー分野における教育訓練に係るガイドラインの作成検討委員会」を設置し、調査や事故等のリスクの検討を行った。

●ガイドラインの概要

・ 洋上での一般的な留意事項
(波浪、風雨の影響や洋上作業における危険性等)

・基本安全訓練(応急処置、防火・消防、落水時の対応等)

・事故事例集(船の揺れによる転倒の事故例や吊り荷による挟まれ事故例等)

第1図  洋上風力発電設備等の建設工事等の作業員の教育訓練ガイドライン

オーム社「電気と工事」2021年9月号掲載