20FY売上見込み「増加する」0% 関電販アンケート

需要減、コロナなど響く 粗利率実績 19FY「増えた」53%

関東電線販売業協同組合(関東電販)は18日、「20FY関東電販組合員業態アンケート調査」の結果を発表した。それによれば売上高実績(前年度比)は、18FYが「増加した」76%、「減少した」15%、「不変」9%と順当だった。しかし、19FYから暗転し、20FYの売上高見込みは「増加する」が0%になった。一方、減収企業が増えるなか19FYの粗利率実績(前年度比)では、「増えた」が53%(17社)に達した。これは19FY前半の多忙時に適正な価格がキープされたこと、銅価が下降局面にあったことなどが考えられる、とした。

関東電線販売業協同組合(関東電販)は18日、「20年度関東電販組合員業態調査アンケート調査」の結果を発表した。回答率は33社中32社で97%。実施は今年8月。会員の営業分野(複数回答方式)は、32社中23社(72%)が市販電設(建販分野)に携わり、また建販以外の分野に42社が関係していることも明らかになった。

そうしたなか、18年度までの売上高は、建販関係と自動車関連が好調であり、その他の分野など、ほとんどが堅調に推移した。売上高実績(前年度比)は、17年度が「増加した」73%、「減少した」18%、「不変」9%。18年度は「増加した」76%、「減少した」15%、「不変」9%となった。建販の好調は特に、東京五輪需要絡みと首都圏再開発、小中学校の空調整備などが背景になった。

19年度売上高は「増加した」56%(前年度比20Pt減)、「減少した」15%(同7Pt増)、「不変」9%(同3Pt減)となり、「増加した」が減り対照的に「減少した」が増えた。19年度の第1Q~第3Qまでは引き続き好調を維持した。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大や東京五輪の延期が決まると、第4Qに市況は暗転し、好調さに急ブレーキがかかった。そうした情勢下、情報通信分野はGIGAスクール構想向けにLAN関連が引き続き繁忙であり、その他の分野でも、電気機械分野を除き売上高は、前年度を上回った。

20FYは建販等が鈍化五輪、再開発一段落

20年度の売上高見込みは、「増加する」0%(前年度比52Pt減、18年度比65Pt減)、「減少する」79%(同73Pt増、同79Pt増)、「不変」9%(同21Pt減、17Pt減)となった。20年に入り、首都圏再開発物件、五輪関連の需要が一段落したところに、コロナ禍に見舞われた。市場が縮小した8月時点で20年度通期の売上高が「増加する」と予測する企業はゼロで、「減少する」としたところが大幅に増えた。このさなか、前年度比「横這い」と予測した企業が2社あり、1社は「市販+電設」分野、残る1社が「電設+情通+機器電線+産業電線」分野に関わる企業となった。

次ぎに売上高増減率をみると、16年度はアベノミクスのこう着状態で「増加」が29%、「減少」は71%を占め、全体的に振るわなかった。17年度は銅建値の25%アッブなどによって「増加」と「減少」が逆転し「増加」74%(前年度比53Pt増)、「減少」同18%(同53Pt減)になった。18年度も「増加」79%(同5Pt増)、「減少」15%(同3Pt減)となり、売上高は順調に伸びた。売上高が「増加」したうちの79%の企業は増加率「1~10%増」の低いレンジだった。

19年度は「増加」56%(同23Pt減)、「減少」33%(同18Pt増)とコロナ禍と建販分野の鈍化で減収が増え、増収が減った。また、31%の企業が「1~10%の減収」になったが、これは銅建値が約10%下がったことも響いていると考えられる 。また13%・4社の企業が「16~25%」の大幅増だったものの、このうちの75%・3社が建販関連、25%・1社が産業機器電線関連という。

粗利率、アップへ 適正価格の維持等で

一方、19年度の粗利率実績(前年度比)は、粗利率が「増えた」が53%(前年度比23Pt増)、「減少した」31%(同12Pt減)、「不変」16%(同11Pt減)となり、売上高が減少しているのに、粗利率は増えた。

粗利率が「増えた53%(17社)」の中には建販関連が「38%(12社)」含まれる。他は情報通信、機器電線、産業用電線が主たる企業になった。粗利率が、増えた企業が53%に達したのは、前半の多忙時に適正な価格がキープされたこと、銅価が下降局面にあったことなどが考えられる。

次ぎに20年度粗利額の前年度比見込みについては、「増加する」16%(同17Pt減)、「減少する」50%(同23Pt増)、「不変」34%(同6Pt減)となり、粗利額は減少する傾向を示した。20年度は電線市況が一転し、小さなパイの中での受注競争激化によって、採算が悪化するとみている。

電線新聞 4215号掲載