換気の日② キャンペーン 豊富なラインアップを強みに様々な換気・空清提案を

三菱電機株式会社
中津川製作所
営業部 電材 営業課 課長 永石 俊郎氏

Ⅰ.「換気の日」にあたり

換気の大切さがより多くの方々にご理解いただけるよう、1987年よりスタートした「換気の日」も今年で34回目を迎えました。全日本電設資材卸業協同組合連合会、全日本電気工事業工業組合連合会、一般社団法人 日本電機工業会ならびに関係各位のこれまでのご尽力・ご協力に対し、深く敬意と感謝の意を表する次第でございます。また、「換気の日」の普及に対する報道関係各位のご尽力に対しても厚く御礼申し上げます。
当社も、皆様のご支援を得ながら、微力ではありますが、換気扇の普及と需要拡大に努めてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

Ⅱ.市場動向について

「換気の日」紙上座談会でもご紹介いたしましたとおり、換気扇需要に大きく影響を与える新設住宅着工戸数の推移は、20年度30〜40代の世帯主の世帯減少によるベース着工の減少に加えて、戸建の消費税増税影響の継続や新型コロナウイルスの影響による、住宅着工合計での前年割れが予測されています。
これに伴う換気扇需要動向も、20年度は新型コロナウイルスの感染拡大による新築案件の受注・着工減の影響による住宅新設需要の減少を主因とした全需の前年割れが予測されます。

Ⅲ.当社の取り組みと商品のご紹介

新型コロナウイルス感染拡大以降、換気の重要性が再認識されていることはご存じのとおりですが、当社では、2003年7月の建築基準法改正に伴う24時間換気設備設置義務化を契機に、当時より換気の重要性を提唱してまいりました。近年でも、ZEH住宅等躯体の高性能化に最適な換気設備として、省エネ型の換気システム提案に注力いたしております。
中でも、住宅・非居住建物における省エネ化ニーズの高まりに対応し、非熱交換気ではDCブラシレスモーターを搭載した省エネタイプの換気扇、熱交換気では、1970年に当社が世界で初めて開発し、今年で発売50周年を迎えました第1種換気方式のロスナイの提案を強化いたしております。
新型コロナウイルス感染拡大を契機に、改めて政府による換気の重要性啓発が展開されている中、当社は豊富なラインアップを強みとした、コロナ禍における様々な換気・空清提案を展開いたしておりますが、特に3密対策としての確実な換気の実践と、それに伴う空調エネルギーロスの抑制に向けた対策が同時に求められる背景にあって、当社は上述の高機能換気設備であるロスナイのご提案を一層強化して取り組んでまいります。また、既設建物における確実換気の実践に向けた換気設備の増設・リプレイスのニーズが拡大基調にあることを受け、比較的施工が容易な壁付けタイプの換気扇提案から、換気設備の増設が困難な場所に対する、循環形の空清ファンによる空気質改善提案まで、ニーズに合わせた幅広いご提案をご用意しています。
換気の重要性啓発に関する情報発信も引き続き積極的に展開してまいります。コロナ禍における正しい換気の実践方法や、新築・既築別、住宅・非居住建物ごとの最適な換気提案を広く周知するに当たり、当社ではWebサイトの情報コンテンツを拡充、および登録制のサブユーザー様に対する、メールマガジンによる情報発信を充実させております。
直近では、新型コロナウイルス感染防止対策としての、換気・空清機器設置に対する政府、および地方自治体などの補助金施策展開の情報発信も行っています。併せて、補助金交付対象となる、飲食店舗・調剤薬局などの業態に対するDM発信を実施することで、施主様の換気リニューアルに向けた動機付けを同時に図っています。
長期使用製品のリプレイスニーズに対しましては、「LINE」を活用した現行機種検索システムを提供しています。現場でも、旧機種から取替え可能な現行機種検索がスマートフォンで素早く簡単にできる点が、ご利用の皆様から大変高い評価をいただいております。現在では、当社換気扇の主要全機種がLINEで検索できるようになり、さらに利便性が向上しています。

①ダクト用換気扇新商品〈CO2センサー搭載タイプ〉

ダクト用換気扇の新商品として、業界で初めてCO2センサーを搭載した「CO2センサー搭載タイプ」2機種を11月16日に発売いたします。
この商品は、人の密集によるCO2濃度の変動を検知し、風量を自動で調整できる機能を搭載しておりますので、コロナ禍における喫緊の課題である、事務所・店舗などでの新型コロナウイルス感染防止の目的に対応した商品としてご提案いただけます。
在室人数が少ない時には、換気風量を抑えた弱運転にすることで、急速運転を続けた場合との比較で空調機のランニングコストを年間約1万7970円削減できる点、および高効率DCブラシレスモーターの搭載により、ACモーター搭載機種と比べ換気扇のランニングコストを年間約4610円削減できる点などが、確実換気と省エネニーズの両立に寄与いたします。

【特長1】
密を検知し換気風量を自動で切り替え。換気の悪い密閉空間の改善に貢献する。

【特長2】
低ランニングコスト運用を実現する。

②ヘルスエアー®️機能搭載循環ファン


密対策としての換気設備の増設が困難な場所や、一段上の室内空気質環境を求められる場合などには、ウイルス・菌・花粉の抑制やPM2・5の除去、さらに脱臭ができる「ヘルスエアー®️機能」搭載 循環ファンがおすすめです。本商品は、新型コロナウイルス感染症の軽症者の宿泊療養施設にも提供させて頂き、また内閣府ホームページでも新技術を持つ商品のひとつとして紹介されるなど、現在大変注目をいただいている商品です。
空間を広く使用できる天井埋込形、「ヘルスエアー®️機能」と「脱臭フィルター」で空気を24時間清潔に保つことをコンセプトに、住宅だけではなく、飲食店舗などの非居住建物のオーナー様に多くご採用いただいております。住宅用途のみならず、店舗・事務所・高齢者施設などで幅広くご採用いただいており、是非この機会に本商品をお勧めいただきたくご紹介申し上げます。

Ⅳ.おわりに

今年は、コロナウイルス感染拡大という未曽有の災害に見舞われている中、感染防止対策として換気の重要性が見直されています。当社は、換気メーカーとして感染症から身を守るための正しい換気の方法や、最適な換気設備の提案を最優先に進めてまいります。
また、「省エネ貢献型」の換気設備や、換気送風機による「空気質改善・温度バリアフリー」の実現など、従来からの快適性向上に向けて多様化するニーズにもお応えし、これからもお客様にご満足いただける、また安心してご使用頂ける商品作りを目指して取組んで参ります。是非この機会に「換気」に対するご理解をより深めて頂き、引き続き皆様のご協力・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

電材流通新聞2020年10月22日号掲載