泉州電業の次期予想 10.5%増収、営業益5.6%増 5商品すべて増収へ

泉州電業の21年10月期通期連結業績予想は、売上高821億円(前年度比10.5%増)、営業利益33億円(同5.6%増)、経常利益35億5千万円(同5.0%増)、当期純利益24億円(同2.1%増)で増収増益とした。
引き続き新型コロナの影響が残るとみられるが、IoTや5Gなどデータ社会への加速が半導体製造装置の需要を押し上げることが期待できる。また、中国経済の早急な立ち上がりを含めて世界景気の底入れもあり自動車、工作機械も徐々に回復に向かうと見込んだ。同時に環境保全の動きも強まり、太陽光発電、海上風力など自然エネルギーへも期待が高まりつつあることを事業背景とした。
国内については、直需は、自動車製造ライン/工場の一時停止、及び昨年から続く米中貿易摩擦も含め、工作機械製造は部品調達(海外)による生産調整がある見込み。半導体製造関連は、回復傾向とみている。一方、電設は、建設現場における工期の延期、インバウンドの減速によるホテル建設の延期、都市開発関連は継続する見通し。電材は、現場工期の延期、ギガスクール構想・テレワークなどのデジタル化投資の一時的な増加を予測した。
海外については、中国と台湾が、新型コロナ対策によって休止していた反動で、20年4月以降、回復傾向も見られる。ASEAN地域は、ロックダウンなどによる休業や営業活動の調整が続くが、段階的に解除を見込む。
21年10月期通期単体業績予想をみると、売上高は758億円(前年度比9.1%増)で連結売上高の9割以上を占める。5商品分野すべてが増収を見込んだ。利益面では、営業利益29億円(同6.3%増)、経常利益31億5千万円(同6.1%増)、当期純利益20億5千万円(同17.2%減)となり、増収増益の見通し。
単独・売上高の商品別内訳は、機器用・通信用電線268億円(同10.3%増)、電力用ケーブル263億円(同8.8%増)、汎用被覆線75億円(同8.6%増)、その他の電線31億円(同3.8%増)、非電線121億円(同8.6%増)とした。

電線新聞 4224号掲載