可塑剤と塩ビ 値上げ VVF 3心×8sq(㎞) 2,145円がコスト高に

可塑剤メーカー大手3社のジェイ・プラスとシージーエスター、新日本理化が、フタル酸系可塑剤の値上げを相次いで打ち出した。値上げ幅と実施日は3社によってやや開きがあり、値上げ幅(㎏)は11円~15円、実施は2月10日~2月15日となった。(一部既報)
一方、信越化学も、塩化ビニル樹脂(塩ビ)の値上げを打ち出した。値上げ幅(㎏)は10円以上。実施日は3月1日納入分からとした。要因としては、ナフサ価格の上昇に伴いエチレン価格の騰勢が強まっていることや、物流費のアップを挙げた。取り巻く環境は、他の塩ビレジンメーカーも同様なことから早晩、値上げを打ち出す可能性が高い。
一連のフタル酸系可塑剤と塩ビの値上げを、電線用軟質塩ビコンパウンドに換算すると、価格(㎏)は10円以上~11円以上アップすることになる。

これを電線ケーブルで目付換算すると、VVF2心×1.0㎜(㎞)で530円~583円のコスト高になる。VVF3心×3.2㎜(㎞)は、1千340円~1千474円の原価高になる。VVF3心×8sq(㎞)では1千950円~2千145円のコスト増になる見通し。IV5.0㎜(㎞)については460円~506円の原価アップになる。
銅価が高値ゾーンで推移するなか、塩ビ電線ケーブルにおける塩ビコンパウンドのコスト高はわずかだが、こうした目付換算分がコストアップになる見通し。

電線新聞 4229号掲載