基本観測棟のケーブル敷設等で活躍
関電工は4月6日に、第61次越冬隊に参加した村松 浩太氏(2019 年11 月~今年2月)、第62 次夏隊に参加した正治 徹一氏(昨年11 月~今年2月)が任務を終えて無事帰国したことを発表した(写真1)。
同社は、1986 年以降、南極地域観測隊として合計38 回にわたって社員を派遣している。現在は同社の上原 誠氏が第62次南極越冬隊に参加している。
●作業内容
今回は、昭和基地内の電気、空調設備の設営や保守管理、太陽光発電パネル(約80 W/枚)の更新(写真2)、照明設備のLED化等を行った。
吹き荒れるブリザードでわずかなすき間から雪が吹き込み、倉庫内が真っ白(写真3)になるアクシデント等に見舞われたが、基本観測棟のケーブル工事で活躍したことで気象庁より感謝状が授与された。
●コロナ対策
南極では新型コロナウイルスに感染しても治療が困難なことから、念には念を入れた感染対策が取られた。
昨年から参加した正治氏は、コロナの関係で昭和基地到着後の活動が1カ月に短縮。上陸後の2週間はマスク着用と3密を避けるため、前任者との引き継ぎがあまりできずに大変だったと語る。
●南極の体験
村松氏は「出発前、昭和基地に電気の専門は自分だけで、助けてくれる先輩もいないので不安でいっぱいでした。マイナス30 ℃の極寒で、とにかく寒かったです。しかし、他業種の隊員と一緒に仕事をしたことで“同じ目標にも、人によって向かい方が異なる” ことを知り、面白かったです」と、視野が広がった体験を紹介した。
正治氏は「専門外の人に電気関係の作業を教えるのは勉強になりました。また、限られた工具と材料を効率的に活用する体験は今後に生かせる」と語った。