車、電気機械など5部門が増加 建販0.5%減、コロナ響く
電線工業会がまとめた21年度主要7部門別の電線需要見通し改訂によると、電気機械や自動車など5部門が増加し、20年度の大幅減からやや戻り総合計出荷は、63万7千㌧で前年度比2・3%増となった。また、25年度中期電線需要見通しでは、総合計出荷は66万9千㌧で20~25年度平均伸び率が1・4%増とした。同平均伸び率で通信を除き6部門が増加するとした。
電線工業会がまとめた21年度(21年4~22年3月)主要7部門別の電線出荷需要見通しによると、建設電販と通信の2部門は前年度を下回るものの、電気機械や自動車など5部門が増加し、総合計出荷は63万7千㌧で前年度比2・3%増となった。コロナ禍により昨年度は電線需要が大幅に落ちこんだものの、21年度はやや戻る見通し。ただ、建設電販などではコロナ禍の影響が長引く見込み。
7部門別の動向をみると、プラスグループは、電力と電気機械、自動車、その他内需、輸出の5部門となった。
電力は、主にOFからCVケーブルの張り替え需要に加え、各種施設の更新需要、洋上風力発電などの再生可能エネルギーの進展によって、前年度比2.9%増とした。
電気機械は、電子・通信、電装品を中心に回復が進み、同2.9%伸びる見込み。このうち5部門別内訳をみると、重電は、設備投資の再開が見込め同5.3%増加。家電は、長引くコロナ禍によって個人消費が伸び悩み、同3.8%減とした。電子・通信は、5G、リモートワーク関連需要の増加によって同6.1%増を見込む。電装品は、半導体供給問題の懸念はあるものの、自動車生産台数の回復、CASE関連機器向け需要増によって同3.0%増と予想。その他は同1.1%減。
自動車は、新型コロナ感染再拡大による需要回復の遅れや半導体供給問題の影響を受けて、国内生産台数は当初予測比で減少するものの、自動車の電動化もあり回路数が増えるなど原単位の上昇によって同6.8%伸長するとした。ただ、自動車メーカーの減産予定などがあるため、需要は下ブレする懸念がある。
その他内需は、ワクチン接種率の高まりによって、民間設備投資が徐々に回復し、同5.4%増と予測した。
輸出は、コロナ感染拡大の長期化にともなって、プロジェクトの延期・中止が続いているが、更新需要、設備投資の回復や脱炭素化向け投資需要もあり、同18.6%増とした。
また、7部門別のうち、マイナスグループは、通信と建設電販の2部門となった。
通信は、新規通信事業者の参入や5Gの普及は拡大するものの、光化の進展の動きも継続し同3.8%減少するとした。
建設電販は、新型コロナ感染症の影響長期化に加え、首都圏再開発などの大型案件が端境期となり同0.5%減とした。
25FY総計は66.9万㌧^n20FY比平均1.4%増
一方、25年度中期電線需要見通しは、総合計出荷が66万9千㌧で20~25年度平均伸び率1.4%増加。同平均伸び率で通信を除き6部門が増加するとした。出荷ウェイトが高い建販は、31万1千㌧で同0.8%増。首都圏大型案件が動き、コロナ禍の影響が薄れる。(詳細次号)