全日本電線販売業者連合会(全電連)は、このほど実施した21年度業況調査アンケートの調査結果をまとめた。
今回のアンケートによれば、コロナ禍において、テレワークの実施社は、86社中47社(55%)に及んだ。この47社中41社(87%)については、「社内実施率」が50%以下だった。また、テレワークを除いたワーキングの実施形態については、「時差出勤」(86社中40社、47%)、「時短」(86社中27社、31%)、「有休取得促進」(86社中38社)、「通常通りの勤務」(86社中70社、81%)となった。
続いて、コロナ禍におけるワーキング形態を調べるなかで、「通常通りの勤務」が19年度は26社(81社中33%)だったのに対し、20年度には70社(86社中81%)と前年度に比べ2・5倍以上になったのが目立った。
コロナ禍当初は、ある程度テレワークを実施したものの業界的に、ユーザーから即座に対応を求められるケースが多くあり、テレワークがなじまない業種であることが判明した。
また、テレワークを採用しているのは、総務や経理、本社・管理部門などに限定された。逆に営業・業務や物流センター、倉庫などでは、顧客対応が必要なため、通常通りの勤務となっている。
コロナ禍を除く問題銅建値の大幅な上昇
この1年に、どんな補助金を申請されたかのアンケートでは、最も多かったのは「雇用調整助成金」21社(24%)、続いて「働き方改革推進支援助成金」2社(2%)、「その他」2社(2%)となった。
コロナ禍以外の直面する問題についての設問(複数回答可)では、答えが多い順に挙げると①「銅建値」72%、②「粗利の確保」71%、③「需要減退」45%、④「配送問題」40%、⑤「価格低下」31%、⑥「与信悪化」22%、⑦「リベート、協賛金」16%、⑧「過剰サービス」13%、⑨「直販費増」7%、⑩「取引条件の悪化」(2%)、「その他」(2%)となった。この中で①の「銅建値」が前年比で48ポイント増加し、突出して増えた。②~⑩の問題については、この4年間のうち21年度対比で10ポイント未満の増減にとどまった。月間銅価平均/㌧が今年3月~9月まで連続して100万円以上で推移し、過去みられない事態に直面しているためだ。
なお、今年度のアンケートの対象は関西、関東、中部、九州の電線販売業者連合会と、関西電販中国支部、関東電販北海道支部、関東電販東北支部の7ブロックで合計102社で、回収率は84%(86社)たっだ。