蓄電池特集 EV普及とあいまって 急速拡大も見えてきた

メーカー各社の商品戦略

パナソニック

充電用USB コンセント 4ポートを搭載

リチウムイオン蓄電システムスタンドアロンタイプ e-block

 ■リチウムイオン蓄電システムスタンドアロンタイプ
リチウムイオン蓄電システムのスタンドアロンタイプ(蓄電容量3・5kWh)は、スマートフォンやタブレットなどの電子機器にUSBケーブルを使って直接接続できる充電用USBコンセントを4ポート搭載する。蓄電容量3・5kWh・1500VAの高出力で照明やスマートフォンに電力を給電しながら、電気ケトルなど高出力の機器へ同時に供給することができる。
耐震強度は、震度6強レベルの地震でも筐体が転倒しないことを確認しており、機器瑕疵保証、蓄電容量保証10年(無償)でオフィス、公共施設、店舗、住宅などさまざまな施設で長期間使用できる。

①USBコンセント搭載・1500VAの高出力
充電用USBコンセント4ポートを搭載し、直接USBケーブルを接続して充電できる。停電時には、USBコンセント4ポートだけでスマートフォンを約60台充電できる。
USBコンセントに加えてACコンセント、AC端子台などさまざまな電子機器へ電力を供給し、蓄電容量3・5kWh・1500VAの高出力で停電時最低限使いたい機器に加えて電気ケトルなど消費電力の大きい機器を同時に使える。

②高い耐震性
付属の固定スタンドを設置することで震度6強レベルの地震でも筐体が転倒しないことを確認し、高い耐震性を実現。震災時の蓄電システムの安全性を確保するために蓄電システム震災対策基準による圧壊試験を実施し、蓄電システムが変形しないことも確認している。
高い耐震性と耐荷重性により機能を維持し、地震による万一の停電時にも電気を供給できる。

 ■可搬型バッテリー「e-block」


可搬型バッテリー「e-block(イーブロック)」は、バッテリーと充放電器をセパレート型にすることでバッテリーの小型・軽量化を実現し、手軽に持ち運びできる。これまでのポータブル電源では、電池残量がなくなればコンセントのある場所まで電源装置ごと持ち運んで充電する必要があったが、イーブロックは他のバッテリーを充電しておくことで交換しながら継続して電気を供給できる。
イーブロック単体でUSB出力、イーブロックスタンド、イーブロックデスクと組合せてAC100Vの機器へ給電でき、IoT化により複数のイーブロックのバッテリー状態をスマートフォンで一括管理できる。
平常時はバイパス出力で充電しながら機器に接続でき、バッテリーに充電しながら接続機器にバイパス出力で給電することでバッテリーの劣化を抑制する。バイパス出力時は、突然の停電にも自動で自立運転に切り替える。

ニチコン

完全自給自足を目指す

単機能蓄電システム(16・6kWh)

EVパワー・ステーション(系統連系型V2Hシステム
トライブリッド蓄電システム

「電気をたくわえ、上手につかうテクノロジー」をキャッチフレーズに、同社は2012年から、家庭用蓄電システムを業界に先駆けて開発。蓄電システムのリーディングカンパニーとして着実にその地歩を固めている。
近年は、頻発する自然災害への備えと2019年11月から始まった卒FITにより蓄電池がより注目され、その需要は伸長傾向をみせている。
同社の屋外一体型蓄電システムは、完全自給自足を目指す最大容量の単機能から簡単設置の超小型&軽量モデルまで、次のような豊富なラインアップで多様なユーザーニーズに対応している。

①単機能=最大級の容量16.6kWhで、本体保証10年(ESS-U4X1)

②大容量長期保証モデル=同12kWh、同15年(ESS-U2L1)

③災害対策型モデル=同11.1kWh、同10年(ESS-U4M1)

④超小型&軽量モデル=同4.1kWh、同10年(ESS-U3S1、ESS-U3S1J)

一方、世界的な潮流となりつつあるEV関連で同社は、家庭と電気自動車との接続を可能にした世界初のV2Hシステムを開発。さらに、専門メーカーとして2019年には低価格で高品質なV2Hシステム「EVパワー・ステーション」を発売した。系統連系型の高機能はそのままに、低価格を実現、使い方に合わせた2モデル(スタンダードモデル=VCG-663CN3・VCG-663CN7、プレミアムモデル=VCG-666CN7)をラインアップしている。

これまで培った技術により2018年6月には、太陽光発電でつくった電気をEVやPHVに、あるいは蓄電池にためてEVへ電力移動できる世界初の「トライブリッド蓄電システム」も発売した。

同蓄電システムは、太陽電池とEV・PHVと蓄電池をDCのまま効率よく連携させ、様々な利用シーンに合わせて活用できるトータルエネルギーシステム。
例えば、昼間に太陽光で発電した電気を蓄電池にため、夜間にEVへエレムーブ(電力移動=その逆への移動も可能)することで毎日のドライブは自家製電気だけでまかなえる。また、停電時も同蓄電システムにより昼間太陽光で発電し蓄えた電気を夜間に使用ができるほか、EVの電気も使用できる。
将来の電力需要変化にも柔軟に対応できるのも大きな特長。蓄電池の増設ができるほか、EVを導入すればV2Hスタンドの追加購入も可能。暮らしのシーンに合わせてシステムの構成を変えることができる。卒FITが始まり電気の自家消費時代を迎えた今日、最適な蓄電システムといえる。

マスプロ電工

幅広い電化製品に対応

ポータブルバッテリー

今月、バッテリー容量が561.6Whの「TLB150TW」とひと回り大型で容量が730.08Whの「TLB200TW」のポータブルバッテリー2機種を発売する。ACコンセント、USB端子、アクセサリーソケット等を搭載し、幅広い電化製品の電源に対応する。
停電や地震など災害対策への意識の高まりに加え、キャンプやグランピングなどのアウトドア指向の流行りからポータブルバッテリーの需要は急速に広がり、現在多くのメーカーのポータブルバッテリーが市場に流通している。しかしながら、そのほとんどが海外市場向け仕様のため各電源端子やスイッチなどの表示は英語表記となっており、ユーザーからも操作に戸惑うとの意見があがっていた。
今回発売のポータブルバッテリーは、日本メーカーとして操作性と見やすさを考慮して表示名称を日本語表記にするとともに、視認性の高い大きな文字で表示する。

◆3WAY電源対応
TLB150TW・TLB200TWともに、ACコンセント2個、USB端子がType-A2個、Type-A(QC3・0対応)1個、Type-C(PD対応)1個、アクセサリーソケット1個をそれぞれ搭載し、電源がないところでも液晶テレビやパソコン、扇風機などさまざまな電化製品を使える。

◆本体天面に使用説明書
各電源を使用するときの操作方法を本体天面にわかりやすく表記し、スマートフォンなどでも取扱説明書が見られるようQRコードを記載。初めてのユーザーにも優しい設計となっている。

◆安全設計
短絡保護回路のほか、過電流保護回路、過電圧保護回路、過放電保護回路、過充電保護回路、さらには過剰温度検出保護回路などを搭載し、安全性に配慮する。

電材流通新聞2021年10月14日号掲載