昭和電線HDと古河電工は12月24日、SFCCの建設電販向け汎用電線の販売事業に両社グループの製造事業を統合すると発表した。同時に両社の出資比率を昭和電線HD80%、古河電工20%に変更する。
製造事業統合の対象製品は、昭和電線HDの完全子会社である昭和電線ケーブルシステム(CS)と古河電工の完全子会社である古河電工産業電線(古河産電)の2社が取り扱う建販市場向け汎用電線の製造事業のうち、SFCCが現在「SWCC・FURUKAWA」ブランドで販売しているもの。具体的にはIV、CV(6・6㎸以下)、CVV、VVF、VVRの建販5品種と、その環境配慮型電線。なお、アルミ導体製品は、古河産電が引き続き製造する。
また、製造事業統合後のSFCCの製造拠点は、昭和電線CSの三重事業所と茨城工場の二拠点に集約する。これに伴い古河産電の栃木工場は、操業を停止する予定。
SFCCは、製造事業統合と合わせて、両社グループからの事業譲渡の対価に相当する第三者割当増資を行い、これを昭和電線HDと古河電工がそれぞれ引き受ける。
この結果、両社の出資比率は、現在の昭和電線HD60%対古河電工40%から、昭和電線HD80%対古河電工20%に変更される見通し。
公取委の審査は適正に終了しており、両社の製造事業の統合と出資比率変更は、22年7月1日を目指す。SFCCの20年度通期売上高は、395億4千万円となった。
両社は20年4月、共同販社としてSFCCの営業を開始した。設立後、SFCCの販売業務の効率化を進め、在庫を一括集中管理するとともに、デリバリーや品揃えの充実を図るなど、より高いレベルでの顧客サービスの向上に努めてきた。この効果を一層高めるとともに、コロナ禍の拡大や原材料・物流価格の一段の高騰などにより事業環境も変化するなか、両社はSFCCで販売事業と製造事業を一貫して効率的に営むことで統合効果を高め、勝ち残っていく必要があると考え、今回の合意に至った。