銅センター和田事務局長
実験の様子
日本銅センターは3日、JX金属の「SQUARE LAB」で、首都圏在住の中高生13人を対象に、銅の実験教室「身近な『銅』の意外なチカラ!超抗菌性能を体験しよう!!」を、国際銅協会と開催した。
銅・銅合金には、細菌などの増殖を抑える超抗菌性能や、ウイルスを不活化させる抗ウイルス性能がある。同実験教室は、中高生が銅の性質を講義で学び、続いて実験で超抗菌性能を体験し、最後に講義と実験の内容を踏まえて、グループごとに銅の新しい活用法を考えて発表するというもの。日常生活での銅の活用法を実践的に学ぶことで、中高生に、銅の様々な役割への関心を高めてもらうことが狙いだ。
実験教室はまず、伊地知聡講師(運営・企画リバネス)による、銅の特長についての講義のあと、銅の基本的な性質である導電性と熱伝導性を体験する実験が行われた。続いて銅の超抗菌性能の講義と実験が行われた。実験は参加者の口腔内の細菌をシャーレに入れ、1円、5円、10円、100円硬貨を置き、菌の繁殖を調べるというもの。1円硬貨以外は銅を含有するため、2〜3日後には菌が繁殖しないことが確認できる。
実験教室のあとは^nVR見学体験も
その後、銅の分子構造などの性質についての講義があり、続いてワークショップでは、銅の超抗菌性能の新しい活用方法を、グループごとに発表した。「浴室内のカビが生えやすい箇所に銅を活用したり、鏡に銅を含んだフィルムを貼ったりする」「共用キーボードのコーティングに使う」「タッチパネルの材料に使う」「スマホケースに使う」といった、実用的で意欲的なアイデアが発表された。
実験教室のあとは、「SQUARE LAB」展示スペースでの銅の採掘、素材、リサイクルの紹介、JX金属佐賀関製錬所のVR見学、銅の妖精「カッパーくん」との撮影会が行われ、自由解散となった。
日本銅センターの和田正彦事務局長は、「中高生に向けて、実践的に銅の活用方法を学んでもらう機会を提供することができた。今後、様々な場所でさらに銅の活用が進み、感染症対策など社会課題の解決に役立てもらいたい」と語った。また、JX金属ESG推進部の野田麻由副部長は「参加者が実験を行う姿勢や、ワークショップで積極的に発言する姿を見て、未来を担う若い世代との交流の機会の重要さをあらためて認識した。今後もさまざまな方に非鉄金属の重要性やその魅力・可能性を知ってもらうための活動を積極的に行っていく」と語った。
参加した中高生からは「銅の超抗菌性能を活用して、社会に貢献できる製品を考えるのが楽しかった」「机上で得た知識を実際に体験することで、より深く内容を理解できた」という声があがった。
日本銅センターと国際銅協会は、都内で中高生向けのイベントを開催するのは今回が初めてで、9月下旬以降に、群馬県でも同様の実験教室を開催する予定とした。