全社増収、2社増益・2社減益
銅価高騰と為替の影響も
大手電線メーカー4社の22年度第2四半期決算が出そろった。銅価の上昇に加えて為替の影響もあり、4社ともに増収となった。住友電工、古河電工、フジクラの3社の増収幅は大きく、2割前後に及んだ。特に、営業利益が9割増となり、通期予想を再び上方修正したフジクラの好調が目を引く。データセンター向けなど情報通信部門が業績を牽引している。
大手電線メーカー4社の22年度第2四半期の連結業績は、営業利益ベースでみると、増収増益が2社、増収減益が2社となった。
増収増益の2社からみると、住友電工は、売上高1兆8千910億7千600万円(前年同期比20.4%増)、営業利益497億3千900万円(同7.8%増)の増収増益となった。5つのセグメントすべてで増収となったが、利益面では、自動車関連事業部門が自動車減産の影響を受けて、約80億円の損失となった。また、環境エネルギー関連事業は、銅価上昇の効果が大きかった前年から減益となった。他の3部門は増益となり、全体でも増益となった。
フジクラは、売上高3千990億6千700万円(同21.6%増)、営業利益352億5千200万円(同89.6%増)で、増収増益となった。上海ロックダウンの影響はあったものの、為替の影響や、データセンター、FTTx関連の堅調な需要に加え、スマートフォン向け需要も旺盛だった。8月の第1四半期決算発表時に続いて、通期業績予想を再び上方修正している。通期でも過去最高益になる見通し。
次に増収減益の2社をみると、古河電工は、売上高5千245億2千700万円(同17.3%増)、営業利益45億8千500万円(同36・7%減)となった。銅価格上昇、為替影響などにより増収となったが、エネルギー価格の高騰や自動車減産の影響などにより減益となった。
昭和電線は、売上高1千22億8千500万円(同8.0%増)、営業利益43億1千万円(同14.0%減)の増収減益となった。工事再開により建設・電販向けの需要が回復してきたものの、自動車向けでは自動車減産の影響を受け、全体としては前年並みの需要となった。