東邦インターナショナルは、英・プロトン社製の極細線用プレヒーターPHシリーズの国内展開を強化している。
PHシリーズは、同じプロトン社が販売する非接触式温度計SRTG05―3を接続することで、予熱温度をフィードバック制御が簡単に実現できるのが特長だ。特に細線化が進むと、速度が変わるたびに、本当に予熱できているか作業者の確認が必要だったが、SRTGとの組み合わせにより、全長にわたって簡単で正確な予熱を実現し、結果、ケーブルを無駄にすることなく、SDGsの取り組みにも貢献する。
細かい条件出しは不要で、季節による温度設定の変更も自動で行える。マークIからマークⅡへアップグレードしたことで、タッチパネル式への変更やレシピ保存などの機能を搭載したうえ、計算能力の向上により線速の変化に伴う温度の追従性も上がった。より精度の高い温度測定、リアルタイムでの温度記録によって、ケーブル全長にわたって品質を保証できる。非接触のため、線材に傷が付かない点も利点だ。
また、他社製品と比較して、故障に強いことも特長だ。従来のプレヒーターではインバーターが使用されているが、プロトン社の製品ではインバーターを基板化しているため、故障に強くなっている。ほかに、これまで使われていた絶縁プーリーは、ベークライト製のため摩耗に弱く、交換が必要だった。そこでプロトン社ではジルコニア製のプーリーを採用し、摩耗に強く、長寿命を実現した。
さらに、経年劣化するキャパシタンス(静電容量)をメインの基板と分けることで、部品交換時のコストや手間を大きく削減することが可能になっている。なお、世界の自動車部品メーカーで圧倒的シェアを誇るアルミ線材用プレヒーターは、プロトン社独自の製品である。
PWM社製冷間圧接機 常温での圧着が可能
また同社が取り扱う、英・PWM社製冷間圧接機「EP500」は、熱や電気を使用せずに常温の状態で、銅やアルミなどの非鉄材料を圧着させることができる。同製品は、エアー動力式の冷間圧接機で、銅線の場合は線径5㎜から12・5㎜まで、アルミ線は5㎜から15㎜まで圧接できるため、一般的に母材として使用される材料にも使用可能だ。熱や電気を使用しないため、ランニングコストも非常に少ない。また、丸線以外の形状も圧着もでき、異なる材料同士の圧接も可能だ。
ほかに同社は、独・テンソメトリック社の張力計にも注力している。今回、新製品のハンディタイプ張力計「COMBI490 ST」が追加された。測定データの保存が可能で、CSVファイルとしてPCに出力することも可能だ。