電気の豆知識 ~いつか役立つ!? 電気にまつわる雑学篇~ 「白熱電球とエジソン」

誰もが知っている歴史上の偉人

えらいひ~と~♪ だと『ちびまる子ちゃん』も知っている、世界の発明王・エジソン。そんなの常識です。無から有を次々と創り出す稀代の天才は「メロンパークの魔術師」と呼ばれました。

「電話機を発明した人だ!」

それはグラハム・ベル。

「リンゴを弓矢で射った人ね!」

それはウィリアム・テル。

しかも発明家じゃなくて伝説の人物だし、リンゴが落ちるのを見て万有引力を発見したニュートンとごっちゃになってるし……。

トーマス・アルバ・エジソン(1847-1931)はアメリカの発明家であり電気技術者。

 トーマス・アルバ・エジソン Wikipediaより

その生涯において発明した品や生み出した技術は音、光、通信、映像、エネルギーと多分野にわたり、取得した特許は1000以上とされています。その中でも三大発明といわれるのが蓄音機、白熱電球、映写機です。

『電気の豆知識』としては、この白熱電球にスポットを当ててみたいと思います。

白熱電球の発明は今から約150年前

電気が登場するまでの光源は、木→動植物の油脂→ろうそく→石油→ガスという変遷をたどってきました。しかし、どれも“何かを燃やして明るくする”という仕組みに変わりはありません。それを劇的に変えたのが、エジソンが1879年に発明した「白熱電球」です。ちなみに、エジソンはこのとき32歳。日本は明治12年でした。

電球は、“電気を通しにくい物に電気を流すと高温になって光る”という働きを利用しています。エジソンはありとあらゆる物を試し、実験を繰り返したといいます。うまく発光しても短時間では使い物になりません。空気に触れてすぐに燃え尽きてしまわないよう、電球のガラス内を真空に近づける研究も重ねました。

そして、木綿の糸にすすとタールを塗って炭化したフィラメントで、 ついに白熱電球を完成させたのです。ろうそくや石油ランプよりも明るく、ガス灯よりも安価な、新しい明かりの誕生です。この電球は約40時間も点灯したといわれていますが、エジソンはさらなる改良を目指し、世界中からさまざまな素材を取り寄せて研究を続けました。そうして最後にたどり着いたのが、京都の八幡竹です。竹フィラメントを用いた電球は最終的に1000時間以上も点灯したといいます。

以降、新しい素材のフィラントが登場するまで10年以上にわたって、エジソンの白熱電球に京都の竹が使用されたそうです。八幡竹の産地近くにある石清水八幡宮には今、エジソン記念碑がたたずんでいます。

世界初はエジソンじゃない!?

ここまで書いておいて何なのですが、世界で初めて白熱電球を発明したのは、どうやらエジソンではないらしいのです。ちびまる子ちゃんもビックリ!?

ジョセフ・スワン(1828-1914)Wikipediaより

実は、イギリスで物理学などを研究していたジョセフ・スワン(1828-1914)が、エジソンより1年ほども早く白熱電球の開発に成功しています。エジソンとスワンだけでなく、19世紀ごろは多くの科学者が白熱電球を研究していたようです。ただ、スワンの電球は点灯時間が短く安定性に欠けていたのに対して、エジソンの電球は点灯時間が長く実用的だったのだとか。二人の間には特許を巡る争いが起きましたが、後に和解し、共同で電灯会社を設立しています。

電話機もそうです。実用的な電話機を開発して広めたのはアメリカの発明家グラハム・ベル(スコットランド生まれ)ですが、一番最初につくったのはイタリアの発明家アントニオ・メウッチだそうで、エジソンもつくっています。でも、電話機の発明者として一般的にベルの名が知られているのは、やはり特許や実用性が関係しているようで、名前がいかにも電話っぽいからではありません。