事業者の皆様へ
令和5年10月1日より労働安全衛生規則が一部改正されます。
トラックでの荷役作業時における安全対策の強化を目的として、
最大積載亮量2トン以上の貨物自動車に昇降設備が設置義務となります。
以下、詳しい内容についてご説明します。
陸上貨物運送事業における労働災害の現状
陸上貨物輸送事業(トラック輸送事業)における労働災害は、荷役作業中に発生したものが全体のおよそ7割となっていることから、荷役作業の安全対策が強く求められています。
(平成25年厚生労働省「荷役作業安全ガイドラインの解説」より)
また、「トラック荷台からの転落等による災害データ(右表)」のうちトラック荷台等への昇降時に発生するものが約4割を占め、とりわけ荷台から降りる時が約3割となっています。
(平成27年度「労働安全衛生研究所の分析」より)
労働安全衛生規則の一部改正
令和5年10月1日(一部規定は令和6年2月1日)より、労働安全衛生規則の一部が改正されます。
【労働安全衛生規則 第百五十一条の六十七】
1.事業者は、最大積載量が二トン以上①の貨物自動車に荷を積む作業(ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業を含む。)又は最大積載量が二トン以上①の貨物自動車から荷を卸す作業(ロープ解きの作業及びシート外しの作業を含む。)を行うときは、墜落による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者が床面と荷台との間及び②床面と荷台上の荷の上面との間を安全に昇降するための設備を設けなければならない。
2.前項の作業に従事する労働者は、床面と荷台との間及び※②床面と荷台上の荷の上面を昇降するときは、同項の昇降するための設備を使用しなければならない。
(※ _部分が改正されております。※①改正前五トン以上、※②追加)
昇降設備のご準備を
「昇降設備」には、踏み台等の可搬式のもののほか、貨物自動車に設置されている昇降用のステップ等が含まれます。
なお、昇降用ステップは、できるだけ乗降グリップ等による三点支持等により安全に昇降できる形式のものとするようにしてください。
■参考
長谷川工業株式会社:こちら
左から
LM(トラック荷台昇降用はしご)、DB(組立式作業台)、WB(連結式大型作業台)
※LMは2023年7月にリニューアル予定です。
おわりに
荷役作業は、物流の流れにおいて核となる工程です。
重要な役割を担うため、さまざまな機械やシステム、安全対策の手法が誕生しています。
現場や作業員に合ったものを導入し、現場作業の効率化やリスク低減につなげましょう。