三陽電工(本社:埼玉県戸田市)は1日、多点温度センサー「サンサーモ」のセンサー部分をコネクタ仕様とした製品の発売を発表した。
同製品は、顧客の声をもとに、センサー部分をコネクタ仕様としたもので、従来は被覆に覆われていたセンサーを、対象物に接触させ測定することを可能とした。
同社は、センサーを脱着可能にしたことで、熱電対と同等レベルの温度測定応答性でありながら、低コストで多点の温度測定を実施することができるとしている。
また、従来ではセンサーの設置が難しかった測定点でも、センサーケーブルを分岐させることで、ピンポイントで計測することができる。
さらに、センサー部分をコネクタ仕様にすることで、更新が必要なセンサーだけを交換することができるため、コストを低減する。
同社では、コネクタ仕様の新製品について、熱電対との比較実験を行っている。実験では、ベルトコンベアのベアリング劣化(摩擦による発熱)監視を想定し、軸受け架台部分において、測定値を比較した。その結果、発熱部分から5cmおよび10cmの測定位置において、それぞれ熱電対と同等の応答性を示したとしている。
今後の展望として、バイオマス発電所、製紙会社などのプラント施設における資材の発熱監視、機械設備駆動部の温度監視、またEV電池メーカーでの試験研究用・バッテリー保管時の温度監視など、工業分野での活用により予知保全や防災対策への普及拡大が期待される。