矢崎総業 リサイクルPBT樹脂グレード開発 自動車WHに最適

 矢崎総業は5月14日、自動車ワイヤーハーネス(WH)用コネクターに適用可能な「リサイクルPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂グレード」を東レと共同開発したと発表した。

 同製品は、製造工程での端材を利用して作られており、既存のコネクター用PBT樹脂グレードと同等の材料特性・成形性・品質の安定性を実現しつつ、材料製造におけるCO₂排出量の削減が可能となっている。

 今回の開発の実現でポイントになったのが、東レが行っているPBT樹脂のケミカルリサイクル材だ。一般的に樹脂リサイクルでは異物や異素材の混入、材料の品質劣化が課題となっている。同社は解重合・再重工からコンパウントに至るまで一貫した品質管理を行うことで、バージン材と同等の高品質なリサイクルPBT樹脂の提供を実現した。この技術は「リサイクルPBT樹脂グレード」でも活用されている。

 以前から、WH用コネクターのような自動車の高品位の機能部品におけるリサイクル材料の品質安定が課題となっていたが、今回の共同開発によって、品質の安定化を実現した。

電線新聞 4357号掲載