安川電機は8日、アルミ材の摩擦撹拌接合(FSW)へ適用できるロボット「MOTOMAN-GG250」の販売開始を発表した。
同製品は、主に自動車業界での活用を目指している。自動車業界では、EVやHEVの市場浸透に伴って、燃費効率を向上させるために車体を軽量化する動きが活発になっている。このような中で、アルミ・マグネシウム合金・炭素繊維強化プラスチック(CERP)など、車体フレームや構造部品などに使用される素材は多様化が進んでおり、比較的新しい接合方法として、熱変形が小さい、強度低下が小さい、異なる金属同士の接合が可能、消耗品が少なくランニングコストや環境負荷が小さいなど、多数の利点を持つFSWが注目されている。
しかし、一方でFSWは接合に大きな加圧力を必要とするため、ロボットにFSW装置を持たせて接合を行う場合は、加圧時のロボット自体のたわみに起因した接合品質の低下が課題となっていた。そこで同社は、FSWに適用できるロボットとして同製品を開発した。高剛性化に加えて高精度化も実現しており、FSW以外にも切削加工用途(穴あけ、面加工、バリ取りなど)や位置決め用途など、従来はロボットの適用が困難だった領域でも活用が期待されている。
同製品の可搬質量は250kg、最大リーチ2711mmとなっている。広い作業範囲を実現するロングリーチなので、大物ワークの接合・加工に対応が可能だ。