電気の豆知識 ~いつか役立つ!? 電気にまつわる雑学篇~ 「電波塔」

シンボルタワー、東西対決

東京のシンボルといえば、やっぱり「東京タワー」ではないでしょうか。「東京スカイツリー」のほうが倍ほども高く、まさにランドマークですが、東京の象徴的存在となるにはまだ早いという気がしませんか。長い歴史と高さ以上の存在感がある東京タワーは、もはや日本のシンボルの一つといっていいかもしれません。

西にだってシンボルタワーはあります。たとえば、“コテコテ”大阪の代表格である新世界にそびえ立つ「通天閣」。1970大阪万博のシンボル「太陽の塔」。東寺の五重塔の2倍以上も高い「ニデック京都タワー」。“鉄塔の美女”と称される「神戸ポートタワー」などなど。

もうすでに正統派VS個性派の様相を呈していますが、この東西のタワーには明確な違いがあります。もうおわかりですね、というか、バレバレですね。東京タワーも東京スカイツリーも“電波塔”ですが、通天閣も京都タワーも神戸ポートタワーもいわば観光施設であり、電波は発していません。太陽の塔にいたっては巨大なアートですから。

なぜ、関西には高いタワーがないのか

電波塔とは、テレビやラジオの放送、無線や携帯電話などの通信に必要な電波を送受信するための塔状の施設です。高い場所にアンテナを設置し、電波を広い範囲に届けます。

では、なぜ関西には東京タワーや東京スカイツリーのような高い電波塔がないのでしょうか。答えは、そこに山があるから。

簡単にいえば、東京都を中心とする関東地方には関東平野が広がっているため、東京から広域に電波を届けるには高層の建造物が必要です。

一方、関西には大阪府と奈良県の境に生駒山があります。その山頂に電波の送信所を置いて、大阪平野の広い範囲に電波を届けているのです。また、京都府と滋賀県の境にある比叡山や兵庫県神戸市の摩耶山などにも送信所が設けられています。

ちなみに、東京スカイツリーの高さは、生駒山の標高約642メートルとほぼ同じ634メートル。世界一高い自立式電波塔として知られています。

まぼろしの大阪タワー

かつて、大阪にも電波塔が立っていました。以前は大阪市北区にあった朝日放送が1966(昭和41)年ごろから使用を開始した番組送信用の電波塔で、その名も「大阪タワー」。高さは約158メートルと小ぶりですが、スタジオや展望台を備え、観光スポットとしも人気でした。同社の移転後、2009(平成21)年に解体されました。

日本一高い建造物が誕生

東京都には現在、高さ200メートル以上の超高層ビルが約40棟もあるそうです。2003(平成15)年12月より関東地方の地上デジタル放送がスタートしましたが、この都心部に次々と建設される超高層ビルによって電波が影響を受ける可能性が出てきたことから、東京タワーよりもはるかに高い新タワーが必要になったそうです。

かくして2012(平成24)年、東京都墨田区に日本一高いツリーがそびえ立ちました。東京スカイツリーが発する電波は関東一円をカバーし、その周辺地域にまで届きます。

【おまけ】東京タワーの受難

●1961(昭和36)年、「モスラ」の幼虫によじ登られ、へし折られ、繭をつくられる。

●1965(昭和40)年、「大怪獣ガメラ」に力づくで倒される。

●2003(平成15)年、「ゴジラ」の放射熱戦で壊される。

●2012(平成24)年、「東京スカイツリー」に上を行かれる……。