独立行政法人国民生活センター/電気給湯設備の貯湯タンクの転倒防止策についての実証フィールドの結果を公表

国民生活センター商品テスト部は、徳島県を実証フィールドとした、電気温水器やヒートポンプ給湯器の貯湯タンクについての、先駆的な商品テストの結果を公表した。
テストでは、まず電気温水器やヒートポンプ給湯器の貯湯タンクについて、設置状況等の実態調査を徳島県内のモニター家庭にて行い、取り付けに不備がないか等を把握。
さらに、全国の消費者を対象とした家具・家電の転倒防止策などに関する意識調査や、過去の大地震の際の事故情報の分析を行った。
そして、地震の揺れを再現する振動台上に、固定方法の異なる貯湯タンクを設置して、実際に起こった地震波に近い揺れによる再現試験を行った。
これらの結果から、地震に対する貯湯タンクの転倒防止策の有効性を全国の消費者に向けて情報提供している。
この調査では、貯湯タンクの脚の固定状況について、100 件中 63 件のモニター家庭は、改正告示一号に基づく太さ、本数のアンカーボルトが使用されていなかった。
また振動テストでは、アンカーボルトの太さの違いやアンカーボルトの芯棒を根元まで打ち込まないものには、アンカーボルトの浮きや転倒が見られた。
そこで同センターは、電気給湯設備の貯湯タンクの設置事業者に向け、国土交通省告示による転倒防止策や、国土交通省告示に基づく各メーカーによって指定された転倒防止策による貯湯タンクの設置を徹底するよう要望。また、設置されている貯湯タンクについては、点検の制度作り等の検討を要望している。

オーム社「電気と工事」2018年7月号掲載