国交省/平成30年度建設投資見通し

民間住宅投資16兆3400億円(前年度比2・2%増)に
57兆1700億円 2.1%増(前年度比)へ
東日本大震災以降から回復傾向

国土交通省はこのほど、平成30年度建設投資見通しを公表した。それによると、平成30年度の建設投資は前年度比2.1%増との見通しを示している。

1、建設投資見通しの概要
平成30年度の建設投資は、前年度比2.1%増の57兆1700億円となる見通しである。このうち、政府投資は23兆600億円(前年度比0.1%増)、民間投資が34兆1100億円(同3.4%増)となる見通しである。
これを建築・土木別に見ると、建築投資が31兆1100億円(前年度比2.4%増)、土木投資が26兆600億円(同1.6%増)となる見通しである。
平成29年度の建設投資は、前年度比4.6%増の56兆200億円となる見込みである。
このうち政府投資は23兆400億円(前年度比2.9%増)、民間投資は32兆9800億円(同5.7%増)と見込まれる。
建築・土木別に見ると、建築投資が30兆3800億円(前年度比4.8%増)、土木投資が25兆6400億円(同4.3%増)となる見込みである。
建設投資は、平成4年度の84兆円をピークに減少基調となり、平成22年度には平成4年度の半分程度にまで減少。その後、東日本大震災からの復興等により回復傾向となっている。平成30年度の建設投資については、復興予算や平成29年度の補正予算等に係る政府建設投資が見込まれること等から、総額として57兆1700億円となる見通しである。

2、建築物リフォーム・リニューアル投資の動向
建築物リフォーム・リニューアル投資額は、平成30年度に13兆1千億円程度(前年度比4.1%増)となる見通しである。その内訳は、住宅が30.0%、非住宅が70.0%となる見通しである。
建築物リフォーム・リニューアル投資額に建設投資見通しの「建築」の投資額を加えた合計金額(重複計上分を除く)は、43兆1800億円程度となる見通しで、そのうち建築物リフォーム・リニューアル投資額の占める割合は、平成30年度には住宅で18.9%、非住宅で40.9%、総計で30.3%となる見通しである。
また、建築物リフォーム・リニューアル投資額に、建設投資見通しの「総計」の投資額を加えた合計額(重複計上分を除く)は、69兆2400億円程度となる見通しである。

3、国内総生産と建設投資の関係
国内総生産に占める建設投資の比率は、昭和50年頃は20%以上あったが、その後、減少傾向となった。昭和61年度から平成2年度にかけて一時増加したものの、その後再び減少基調となった。近年では、10%付近を推移している状況である。

4、建設投資の構成と推移
①建設投資の構成と推移
平成30年度の建設投資の構成を見ると、民間投資が60%、政府投資が40%である。
民間投資のうち住宅と非住宅を合わせた建築投資が全体の50%を占めている。政府投資は土木投資が全体の35%を占めており、この両者で建設投資全体の85%を占めている。

②建築・土木別構成比の推移
建築と土木との構成比については、平成3年度以降、建築投資が減少する一方で経済対策により政府土木投資が大幅に増加したことから、土木投資の占める比率が増加傾向となり、平成10年度には51%となった。
その後、建築投資の占める比率が高まる傾向にあったが、平成21年度に下落し、近年は建築投資が50%台前半、土木投資が40%台後半で推移している。

③政府建設投資の動向
平成30年度は、前年度比0.1%増の23兆600億円となる見通しである。平成29年度は、前年度比2.9%増の23兆400億円となる見込みである。

④住宅投資の動向
平成30年度の民間住宅投資は、前年度比2.2%増の16兆3400億円となる見通し。
また、政府住宅投資を合わせた平成30年度の住宅投資全体では、前年度比2・1%増の16兆9200億円となる見通しである。

⑤民間非住宅建設投資(建築+土木)の動向
平成30年度の民間非住宅建築投資は、前年度比3・3%増の12兆円となる見通しである。
また、民間土木投資は、前年度比7.4%増の5兆7700億円となる見通しである。
これにより、平成30年度の民間非住宅建設投資(民間非住宅建築及び民間土木)は、前年度比4.6%増の17兆7700億円となる見通しである。
平成29年度の民間非住宅建設投資(民間非住宅建築及び民間土木)は、前年度比9.5%増の16兆9900億円となる見込みである。
このうち、民間非住宅建築投資は11兆6200億円(前年度比10.9%増)、民間土木投資は5兆3700億円(同6.8%増)となる見込みである。

電材流通新聞2018年7月12日号掲載