太陽光発電システム および関連機器特集

メーカー各社の商品戦略

パナソニック エコソリューションズ社
複雑な形状の屋根にも
「HITP250αPlus」

同社は、業界トップクラスの発電量の住宅用太陽電池モジュールHITP250αPlusを6月より販売している。
国内の住宅用太陽光発電システムの市場は、一昨年4月の電力小売りの全面自由化、エネルギーの自給自足ニーズの高まり、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の普及推進などを背景に、今後も堅調な需要が見込まれている。
モジュール変換効率が高く、高温特性にも優れたHITの新製品として標準タイプ 「P247αPlus/P252αPlus」を発売している。
HITのハーフタイプや台形タイプと組み合わせ、寄棟屋根のほか複雑な形状の屋根にもより大きな容量のシステムを設置することができる。
また、同社独自のPS(Push & Slide)工法で安定した施工品質を実現するとともに、モジュール間の隙間の少ない美しい外観を実現する。同商品の受注開始と合わせPS工法の対応範囲を拡充し、新たに「支持瓦方式」にも対応している。
同社はこれからも、太陽光発電システムのほか、蓄電池やHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメントシステム)など住宅用のエネルギーマネジメント関連機器のラインアップを充実し、暮らしに合わせた提案に取り組んでいく。
【特長】
①業界トップクラスの発電量
②モジュール25年保証(無償)保証期間トップクラス
③独自のPS工法でモジュール間の隙間の少ない美しい外観と安定した施工品質を実現

三菱電機
翌日の発電量を予測
「お天気リンクAI」

三菱HEMS「HM—ST03」の情報収集ユニット「HM—GW03」および住宅用太陽光発電システム向けカラーモニター「エコガイド®PV—DR006L—SET」の情報収集ユニット向けソフトウエアを近日インターネット経由で自動更新するほか、三菱HEMSの表示・操作用タブレットおよびスマートフォン向け「三菱HEMS」アプリのアップデートを行う。
【新ソフトウエアで対応する新たな機能の特長】
1、「見守り」機能の拡充により安心で快適な暮らしを支援
接続した機器の操作状況等をスマートフォンで離れた場所にいる家族に知らせる「家族見守り」機能を追加したほか、接続した機器ごとに「見守り温度」を設定できるようになり、リビングや寝室、浴室など部屋ごとの「室温見守り」を同時に行うことが可能に。
2、「お天気リンクAI」により効率的に電気を使用
翌日の天気予報情報と過去の太陽光発電量データからAI(人工知能)で翌日の同社太陽光発電システムの発電量を予測する「お天気リンク AI」を追加。その予測をもとに同社エコキュートが翌日分のお湯のわき上げに太陽光発電の電力を使うかどうかを自動的に判断し、夜間のわき上げ運転のタイミングを最適化する。
3、対応機器をさらに拡充
他社製の機器をつなげて使いたいというニーズに応えて対応機器を拡充。新たに他社製のルームエアコンおよびエコキュートの接続に対応したほか、他社製電動窓シャッターの対応製品を追加し、住宅の新築時だけでなくリフォームの際にも三菱HEMSを導入しやすい環境を実現する。

河村電器産業
小型・軽量化を実現
産業用接続箱」

同社は、太陽光発電システム関連商品として、DCl000V対応のコンパクト化を実現した産業用接続箱や太陽光発電クラウド型運用・保守サービスの「エネQeye(エネキューアイ)」などに注力している。
産業用接続箱は、回路接続部を改善・リニューアルし、よりコンパクト、軽量化を実現した。重量は従来品より(同社比)マイナス33㎏、サイズで高さは同マイナス200㎜、幅は同マイナス300㎜と大幅な削減となった。
小型化したことによりコストダウンでき、これまでの高圧太陽光発電システム設備費を大幅に削減できる。
また新型キャヒネットの採用で優れた防水性能を持ち、雨水侵入を防ぐ。出力ラグ端子タイプ出力MCB夕イブを設定し、どちらのタイプも定格10Aまでタイプできる。
一方で盤内配線を銅バー化することで、小型化を実現。同時に入力側の配線スペースをさらに確保した。
エネキューアイは、太陽光発電システムのキュー・ビクル監視から保守までの必要なメニューをパッケージ化し、価格も容量別のわかりやすい料金体系で設定した。
また必要最低限のキューピクルとパワコンの監視で発電サイトをみまもり、異常発生時は現地に駆けつけて、故障個所の特定まで行うシンプルな設定となっている。

テンパール工業
専用ブレーカ組み込む
「太陽光発電システム用住宅用分電盤・パールテクト」

太陽光発電システム、ガス発電・給湯暖・冷房システム、家庭用燃料電池システムなど、多様化する住宅の電気設備を備える住宅に最適な分電盤。それぞれ発電システム用のブレーカもあらかじめ組み込まれている。
太陽光発電システムにジャストフィットし、商用電源側および太陽光発電システム側にそれぞれ専用ブレーカが組み込まれている。
このほか、IHクッキングヒーター専用回路やエコキュート・電気温水器回路も組み込まれている。
2次送りタイプ:分電盤の末端に太陽光発電システムを接続する場合
太陽光発電システム側用ブレーカに分岐接続型を採用し、大幅な小型化を図った。
商用電源側の主幹には、逆接続対応型3P3Eの単3中性線決欠相保護付漏電遮断器が組み込まれている。
太陽光発電システム側の遮断器には、太陽光発電システムの出力電気方式、単相2線式に対応する逆接続対応型3P2E中性線欠相保護付配線用遮断器が組み込まれている。
1次送りタイプ:分電盤の手前(電源側)に太陽光発電システムを接続する場合
太陽光発電システム側の遮断器を、商用電源側の主幹のすぐ左側に組み込まれている。

日東工業
発電情報の比較・検証も
「太陽光発電監視システム PVマネージャー」

同社は、太陽光発電関連機器のひとつとして、「太陽光発電監視システム PVマネージャー」に注力している。
同商品は、メガソーラーから小規模な発電システムまで、トラブルを早期発見するため発電能力やシステムの稼働状況を把握する監視システム。
主に㈰日照・気温情報から最大出力時の電力、電流㈪直流・交流電源情報によるデータの把握㈫契約電力量計(パルス)と発電電力㈬ばらつき警報機能による早期異常検知——といったさまざまな視点で発電情報の比較・検証ができる。また発電状況を分かりやすく「見える化」するPVアプリを無償提供している。
同アプリは、CSユニットと常時通信しデータ収集を行う「制御アプリ」とグラフなど表示用の「モニタアプリ」で構成。
複数のパソコンで「モニタアプリ」を使用することで同時複数のユーザーでモニタできる。
収集できる発電情報項目としては▽受送電電圧、電流、電力、電力量▽所内交流電源(電圧、電流、電力、電力量)▽ストリング電流、電圧、電力量、電力値判定結果▽アレイ電圧、電流、電力量▽パワコン稼動状態、電力量、エラー情報——などである。
PVユニットは、最大入力電圧DC750Vと同DC1000Vの両方に対応している。

戸上電機製作所
効率的に故障箇所特定
「太陽電池故障箇所特定装置〜PVドクターシリーズ〜」

「I—V特性測定装置ストリングトレーサ」と「故障モジュール特定装置セルラインチェッカ」の2機種があり、太陽電池モジュールの点検や故障箇所の特定を効率的かつ迅速に行うことができる。
「ストリングトレーサ」でストリング単位での異常を検知する。複数ストリング(4ストリングまで)のI—V特性測定結果を1画面に表示し、相対比較による良否判定を行うことで短時間かつ簡単に異常ストリングを特定できる。測定はDC1000V/10A(SPST—A2Aタイプ)=写真=まで可能で、操作はタッチパネルにより行う。
測定データはメモリカードに保存されパソコン上でデータ管理することも可能。機能は、移動I—V特性測定、同時I—V特性測定、ストリング電圧/電流測定、電圧テスタ(開放電圧測定)。
次に、異常ストリングが発見されれば、「セルラインチェッカ」でモジュール・セル単位での異常を検知する。送信器で信号を注入し、受信器をモジュール表面に当てて反応(LEDおよびブザー音)を確認することで簡単に故障箇所(断線箇所)の特定ができる。延長可能なロッドセンサもオプションとして備えている。
機能は、ストリングを構成する太陽電池モジュールの配置特定、故障太陽電池モジュール・故障クラスタおよび故障セルの特定、太陽電池モジュール内バイパスダイオードのオープン故障検知、モジュール間配線の断線箇所特定、太陽電池間の導通不良モジュール接続コネクタの特定。
PVドクターシリーズは、効率的かつ迅速に故障モジュールを発見でき、モジュールの交換費用も最小限に抑えられる。
JECA FAIR 2013〜電設工業展〜製品コンクールで(一社)日本電設工業協会 会長賞を受賞。

電材流通新聞2018年9月6日号掲載