SOG付高圧負荷開閉器特集

電気の安定供給に不可欠


我々の生活においてなくてはならない電気。その電気を安定的に供給するため、高圧負荷開閉器はその種類や用途に応じ、社会の重要なインフラの一つとしてさまざまな場所で使用されている。太陽光発電の買い取り価格が下がったことによってSOG付高圧負荷開閉器市場においてはこれまでのような勢いはないが、広範囲で使用されているだけに取替需要などが期待される。


・市場の動向
国内市場は、原子力発電所の停止などの影響で、節電の風潮があったが、クリーンエネルギーの全量買取制度の制定により、太陽光発電の需要が急激に増加した。太陽光発電設備は、高圧連携する必要があるためSOG付高圧開閉器の需要は増加傾向が続いてきた。ところが、2012年当初、42円/kwhの買取価格により申込み者が急増。その後、価格が年々下落し、現在では約半分にまで下がっている。開閉器のみならず関連機材は苦戦を余儀なくされている。
ただ、高圧開閉器の使われている箇所は広く、電源側は電力会社の配電線と直接接続されており、いったん開閉器にトラブルが発生すると「波及事故」となる可能性がある。
逆に、負荷側には数億円をも生み出す生産設備や生命に関する装置、金銭には換えがたい情報設備などが電気インフラによって稼働している。
SOG付高圧負荷開閉器の重要性について再認識し、価格のみの競争は問題であり、開閉器は安心・安全である、との考えを持つ事が大事である。波及事故防止機器の信頼性への期待。省庁、保安管理団体のSOG機器取替推進といった本来のあるべき姿にたったモノの見方が見直されつつある。
同製品はいったん装柱されると、10年近く需要家の受電点を見守り、波及事故を未然に防ぐ役割を担っている。高圧負荷開閉器が故障などにより正常な動作をしなくなった場合は停電故障など社会に与える影響は大きく、高圧負荷開閉器に要求される性能・機能が満足しているかを確認し、動作不具合や高圧不可開閉器が起点となる事故を未然に防止するためにも適正な保守点検を実施することが重要である。

・点検の要点
保守点検とは、高圧負荷開閉器に要求される性能・機能を維持するため、劣化や不良箇所を事前に見つけ出すために必要な業務であり、使用条件や経済性などを考慮し、使用状況に合わせた頻度で実施することが必要である。
◇日常巡視点検
日常点検は、短時間の周期(1週間から1カ月)で主として運転中の電気設備について肉眼で設備の外観の変化など確認するほか、五感を活用しながら異臭や異音などの有無を確認する。
なお、異常を発見した場合は必要に応じて電気技術者の応援を得て臨時点検を実施する。
◇定期点検
一般的に、月次点検と年次点検に大別される。性能・機能の確認維持を目的として行うもので、おもに外部から目視または操作、動作試験などによる確認を行う。
また、塵埃などが付着している場合は可能な範囲で清掃を行う。
◇臨時点検
電気事故やその他異常が発生した場合、または発生するおそれがあると判断された場合に実施するものであり、必要に応じて停電して行う。

 【点検のチェックポイント】
○過電流ロック形高圧負荷開閉器(柱上用)
主に電気事業者と自家用高圧需要家の責任分界点に設置され、構内の地絡事故、過電流および短絡事故を検出し開閉器をトリップ、事故点を切り離し、波及事故防止を目的とした開閉器で、SOG制御装置と組み合わせて使用される。
この開閉器あるいは制御装置が故障により不動作状態にある場合、かつ、当該需要の設備事故が発生した場合は配電線が停電となり、付近の需要家や一般家庭までも停電となってしまうため非常に重要な機器である。
点検時は、まず制御装置の動作表示器や表示灯類を確認する。動作表示器が動作している場合は表示復帰ボタンでリセットし様子をみる。制御電源表示が表示していない場合は、P1、P2間に制御電源が印加されているか確認する。方向性には自己診断異常表示灯が具備されており、表示灯が消灯しているか、点灯している場合は異常箇所の特定および改修を行う。
停電可能であれば試験用スイッチを操作し、開閉器がトリップするか確認する。停電が不可能で開閉器をトリップさせたくない場合は、制御線Va、Vb、Vcを制御装置の端子台より外す。
また、位相特性試験器により動作電流、動作電圧(方向性のみ)動作位相角(芳方向性のみ)動作時間を測定することも必要である。停電可能であれば、制御装置と開閉器の連動動作時間も測定する。
需要家の設備に力率改善用コンデンサが接続されている場合は、コンデンサの残留電圧により、測定上連動作時間が延びる。

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