広島電工組 第31回技能競技大会

金賞に温品選手 紅一点の福田選手に銀賞

開会式

 広島県電気工事工業組合(貫名徹理事長)は10月25日、広島県立広島産業会館(西展示場)で電気工事技術者の技能向上や電気保安の確保などを目的とした「第31回技能競技大会」を開催した。当日は選出された21人の選手が電気工事技能を競い、その結果、広島支部の温品翔氏(島根電工広島支店)見事金賞(広島県知事賞)に輝いた。会場には来賓や関係者に交じって県下4校の工業高校生や専門校生らも見学、455人が鮮やかに仕上げていく電気工事技能に魅入った。

競技に先立って開かれた開会式では、広島県知事(代理)や広島市長(代理)、森昭英広島県電設資材卸業協同組合理事長も来場するなど多数の来賓を迎えて開催された。

開会宣言を行う本計大会委員長

あいさつする貫名大会会長

本計忠臣大会委員長による開会宣言の後、貫名徹大会会長があいさつ。
競技会が広島県、広島市、中国電力の後援とともに審判委員など多くの人の協力で開催できることに感謝の意を表し「この大会は当組合員所属の電気工事士の技能向上や電気保安の確保を図り、お客様が安全で安心して使用して頂ける設備を作るために開催している」と開催意義を強調。続けて、「今年のテーマは戌年にちなんで『DOG』とした。選手の皆様方は仕事の合間や休日返上で練習に励んできたと思われる。きょうはその成果を発表する場で、上位5者は来年度ここ広島で開催予定の中国大会に出場できる権利を得ることができる。さらに、中国大会での上位2名は翌年の技能競技全国大会にも参加できるので、頑張って欲しいし、楽しんでもらいたい。また今年は、8年ぶりになるかと思うが女性1名が参加してくれた。女性の活躍は、当業界にも必要な事であと思われる。こうした女性の進出を望んでいる」と女性活用の重要性を訴えてあいさつを結んだ。
続いて広島県知事(代理・清水和義商工労働局計量指導担当監)、広島市長(代理・荒木清希経済観光局ものづくり支援課課長)、中国電力送配電カンパニー長(代理・平岡聡広島営業所所長)らがそれぞれの立場から「無事故・無災害が重要であり、技能競技大会を通じて更なる技術の向上と電気保安の確保をお願いしたい」といった旨の来賓祝辞を贈った。

選手宣誓する山口選手と出場選手

選手宣誓は山口恭生選手(広島支部・西部)が行い、「我々選手は電気工事のプロ集団として日々鍛え上げてきた技術を充分発揮し、正々堂々と競技することを誓う」と宣誓し競技が開始された。
選手は広島支部から10人、呉・東広島・尾道・福山・三次の各支部から各2人計10人、竹原・三原・因島・府中の各支部から各1人計4の合計24人(欠席3人で、計21人)の電気工事士資格取得者が出場。テーマを戌年の“DOG”と設定。住宅の一部を想定し最近の情報化時代を考えTV、コンセントの一体化を加えたものを課題に、高野憲一郎競技委員長の号令でスタート。21人の選手は持ち時間150分の競技時間内の完成を目指して日頃磨いた電気工事技術で取り組んだ。
同競技大会は、来年広島県で開催される「第17回全中国電工連技能競技大会」へ向け、広島県電工組代表選抜予選会(5人出場)を兼ねており、出場選手はテーマに沿って慎重かつ安全に作業を進めるとともに、全体のデザイン性やバランスも考慮しながら、課題に黙々と取り組んだ。会場では、県下の県立・市立の工業高等学校や高等技術専門学校の生徒193人も授業の一環として見学。各選手の素晴らしい技術に魅入るとともに持ち込んだ用紙に書き留めていた。
また、競技スタート前には、会場後方に協賛ブース出展したメーカー各社(パナソニック エコソリューションズ社、東芝ライテック、テンパール工業、オオノ、石田データサービス等)の紹介が行われた。各ブースでは、競技大会と並行して、訪れた来場者に最新の電設資材などをアピールしていた。

黙々と課題をこなす選手と見学する生徒たち

 ◇表彰式
ハイレベルな競技となり延長時間も設けられ、審査は時間一杯まで慎重かつ丁寧に行われた。
その結果、高野競技委員長が次の上位入賞者を発表した。
優勝(金賞・広島県知事賞)は広島支部・安佐南の温品翔選手(島根電工広島支店)に輝いた。2位(銀賞・広島市長賞)には、8年ぶりに参加した女性電気工事士広島支部・佐伯の福田智帆選手(福田電工)が入った。

金賞・広島県知事賞表彰を受ける温品選手

紅一点の参加で見事銀賞を獲得した福田選手

来年の全中国技能大会に出場する5選手

3位(銅賞・中国電力送配電カンパニー長賞)に尾道支部の岸田真彦選手(瀬戸電設工業尾三)、4位(同)に広島支部・東南部の尾崎歩選手(ケンコウ)、5位(同)に広島支部・西部の山口恭生選手(池久保電工社)がそれぞれ上位に入った。
また、6位から10位までの選手には優秀賞(広島県電気工事工業組合理事長賞)が贈られた。

講評する信岡審査委員長

審査委員長の信岡義弘中国電力送配電カンパニー配電工法・安全マネージャーは「審査にあたり作業中の安全確保、与えられた図面を正確に具現化する技能、お客様の自宅でどれだけ丁寧に作業をやれたかという三つに重点を置いた。審査は大変厳しく行ったが、全審査委員納得の上で入賞者を決定した。順位を決めたが、選手の皆さんがこの場で作業を行ったということが大きなことであると思う。皆さんの努力や協力者があってこそ大会の日を迎えることができ、これが合格であると考えている。今後も、お客様に対する仕事ぶりは、中国電力の良きパートナーであると思っている」と講評を行い選手の労をねぎらった。

閉会のあいさつする梅澤総務委員長

各入賞者に賞状と賞品が授与された後、大会を締めくくる意味で梅澤勝治大会総務委員長が登壇。「県内の各支部より選出された21名の選手により、緊張感の中での高い技術レベルで競技する懸命な姿に、わたくしも感動した。入賞された方々のご健闘を称えるとともに紙一重の戦いをされた選手全員の皆様に感謝申し上げ、これを機会に今後ますますのご活躍を期待している。また、本日の審査委員をはじめ大会関係者の皆様に心から御礼を申し上げ広島県気工事業工業組合第31回技能競技大会を閉会する」と述べ全ての行事を終えた。

電材メーカーも会場内でブース出展し協賛

電材流通新聞2018年11月1日号掲載