メーカー各社の商品戦略
日東工業
仕様図面短時間で作成
WEB-QOSで作成した図面
同社は、キュービクルの仕様図面を短時間で作成できるキュービクル図
面作成システム「WEB―QQS(キュービクルクイックシステム)」
に注力している。同商品は、トップランナー変圧器2014に対応している。
同商品は、ホームページでキュービクルの仕様を入力すると図面データ(PDF・DXF)が最短で15分で完成するというもの。
したがって、キュービクルの製作も短期間で短納期となる。
ホームページでの作成手順は、まず日東工業ホームページN-TECへ
メンバー新規登録しての利用となる。
ログイン後、トップ画面のスタートをクリックして開始。続いて「データ管
理」画面で新規ボタンをクリック。過去の作成履歴も件ほど管理している。
続いて「データ詳細」画面で件名登録を行う。次にタイプを2シリーズから選択する。「トランス収納表」から箱体サイズを選択。
「仕様入力」画面で各機器の詳細仕様を選び、「仕様確認」画面で内容確認のうえ、図面作成をクリックする。
約15分後に図面データ(PDF・DXF)が完成する。登録したメールアドレスに完成の案内を行うとともに「データ管理」画面で確認できる。
内外電機
省エネなど機器更新推奨
同社では①省エネ②耐震③老朽化の3点の理由から、キュービクルの更新を推奨している。
現在、使われているキュービクルは20年以上経過したものが多く、収納する機器を含め更新推奨時期を迎えている。
省エネに関しては、新しいキュービクルはエネルギー消費効率が向上しており、大きな省エネ効果を得ることができる。
環境に優しく、さらには電気料金の削減効果も得られる新しいキュービクルへの更新を進めている。具体的には、省エネ効果としては、エネルギー消費効率の向上。基準負荷率40%として、油入変圧器の場合は49%向上モールド変圧器の場合は50%向上する。
年間電気料金削減は、単位電気料金 12円として算出すると、油入変圧器
は年間削減効率 12万6千円。モールド変圧器だと、年間削減効率は14万9千円。
耐震に関しては、耐震性能向上を図っており、地震による損傷を最小限に抑え、電気を安全に供給するための構造になっている。
老朽化については、新しいキュービクルを更新
すると大きな「安全」「安心」が得られる。受配電設備にも寿命がある。寿命とは一般的には使用中に受ける種々なストレスや経年劣化などにより、機器の電気的・機械的な性能が低下し、使用上の信頼性や安全性が維持できなくなる時期をさす。適切な時期の機器更新が重大事故、波及事故を防ぐ。
20年以上経過したキュービクルは収納する機器を含め更新の推奨時期を迎えている。
河村電器産業株式会社
蓄電池収納設備にも注力
蓄電池収納ラック「BT1(屋内用)」㊨と「BT2(屋内用)」
現在電力自由化の関係で、設備の見直しからキュービクルのリニューアルの動きが出ている。そうした動きに伴い、電力各社がキュービクルのメンテナンス、設備の改造などの需要を掘り起こしている。また電力の自由化に合わせ、蓄電池の利用も増加、蓄電池の収納設備としてのキュービクルも需要が増えている。
そこで同社では、蓄電システムにぴったりの筐体仕様にカスタマイズできる蓄電池収納設備にも注力している。
蓄電池収納ラックとしては「BT(屋内用)」「BTRO(屋外用)」、蓄電池収納キャビネットとして「BTQO(屋外用)」と蓄電システムの収納に適した標準筐体を3タイプ用意している。
いずれも高品質・短納期の対応で、設置環境や収納機器に合わせて選ぶことができる。
このうちBTは、前後扉にスリット加工を施した自然換気仕様の19インチラック。通信市場で求められる高度な耐震要求を満たしたフレーム構造を採用した。
BTROは、直射日光による温度上昇を抑える遮蔽板付きの屋外用
19インチラック。通信機器の屋外設備に実績のあるキャビネットに蓄電池収納要件をプラスした。
BTQOは、堅牢な溶接構造の屋外キャビネット(防雨・防噴流形〕。
長い歳月に裏付けられた信頼性の高い高圧受電設備のキャビネット構造となっている。
日本電器産業
専業として多機種製造
同社は、キュービクル専業メーカーとして多機種を製造・販売し、ユーザーの要望に応えている。
最近、とくに需要が多いのが「B66型キュービクル」である。
2面一体構造で外形寸法は、W1900×D1800×H2300。消
防認定品でPF・S形(屋外仕様)250kVAまで組み込み可能であ
る。3組300kVR(CB受電)と単相 50kVRがある。
同社製品は、箱体が堅牢な一体構造になっており、変圧器3Φ1000kVAまでの大容量でも一括搬入が可能である。変圧器内蔵のまま搬入できるので、工事時間の短縮につながる。さらに工場検査終了のまま搬入できるので、分割点の低減にもなる。
さらに、規格最大容量が4000kVAまで形式認定を取得しているのも同社だけであり、CP1形は最大設備容量100kVA、MP8形は最大設備容量225kVA、MP20形は、最大設備容量300kVAとコーナー形3機種がある。