29年度に続き過去最高を記録
日本電気制御機器工業会(NECA・舩木俊之会長)は、平成30(2018)年度の自主統計による電気制御機器の出荷見通しについて発表した。
①平成29(2017)年度の見込み
国内は、輸出に牽引される形で回復していったが、第2四半期あたりから設備投資の増加を受け、第3四半期、第4四半期とも設備投資の増加、さらに年度末の影響もあり増加は継続するとみて、リーマンショック以降では最高の4258億円(前年比109.2%)と予測する。
輸出は、アジア圏を中心とした半導体/FPD製造装置、自動車、スマホなどの旺盛な設備投資で、輸出の第1四半期は過去最高、第2四半期は過去2番目と大幅増。第3、第4四半期予測ともに、上期ほどの増勢はないが、3193億円(同116.6%)と、4年連続の過去最高を更新と予測する。
総額では、輸出が過去最高、国内はリーマンショク以降では最高となり、通年では前年を約815億円上回る7450億円(前年比112.3%)と、2007年度(6682億円)を大幅に上回る過去最高となる見通し。
②平成 年度30(2018年度)の見込み
国内見通しは、上期2170億円(前期比99.4%、前年同期比104.6%)、下期2210億円(前期比101.8%、前年同期比101.2%)、通年ではリーマンショック前の水準に近い4380億円(前年比102.9%、参考:2006年度4414億円、2007年度4350億円)を予測する。
国内は、前年からの設備投資の増加や東京五輪に向けての公共投資の増加、前年ほどの勢いはないがアジア圏を中心とする需要増など、しばらくは堅調に推移することが見込まれる。
輸出見通しは、上期1580億円(前期比102.0%、前年同期比96.2%)、下期1640億円(前期比103.8%、前年同期比105.9%)、通年では5年連続で過去最高を更新する3220億円(前年比100.9%)と予測する。前年比は微増となっているが、現状の出荷額を実力値と見做すと、同103%を超える伸びとなる。
輸出は、世界の経済成長率は上昇傾向にあり、前年ほどの勢いはないがアジア圏を中心とする設備投資の増加が期待される。米国はドル安政策への転換や利上げが予測されているが、足元は2.5%程度と着実な成長が見込まれている。ユーロ圏は個人消費や輸出拡大が続くと見られ、2.0%前後の成長が見込まれる。中国は引き続き6.5%前後の成長が予測されている。全般的には、堅調に推移することが見込まれるが、為替相場はやや円高傾向にあり、米国の通商政策の動向や北朝鮮情勢などに注視が必要。