住電HSTケーブルが、電線ケーブルの値上げを打ち出した。対象は、同社ブランド製品。また、VVF、VCTは別途、値上げを打ち出す。上げ幅は品種・サイズによって異なり、5~7%。顧客への値上げ依頼は1月17日までに完了する予定。実施は2月1日から。
今回の値上げは、副資材の高騰および木製ドラムのコストアップなどによる。世界経済の回復にともなう需要増と、中国のエネルギー不足やコロナ禍による品不足、加えて電力・ガス料金の値上がりから、石化製品の近年にない高騰が続き、今後も高値は続く見込み。
同社が取り扱う電線ケーブルでも、被覆材の原料となる副資材(銅テープ、PEレジン、塩ビレジン、可塑剤、塩ビコンパウンド)で、従来にない大幅な値上げ要請を受けている。特に塩ビコンパウンドは、この一年で、3度値上がりした。直近の上げは、過去最高の上げ幅となった。
住電HSTケーブルは「材料メーカーから大幅な上げ要求を受け、副資材仕入れ先の要求に対して抵抗してきたが、値上げに応じない場合は供給停止もありとの強い姿勢で有無を言わさない状況となっている。当社は安定調達の観点からこれを受け入れざるを得ないと判断し、ケーブル価格への転嫁を判断した」とした。