日本電線工業会 主要7部門別出荷 21暦年総計63万㌧、回復傾向 

建販29.6万t、2%減 光ファイバ伸長、6.3%増

電線工業会がまとめた銅電線主要7部門別出荷数量の21暦年(21年1~12月)累計実績は、コロナ禍からの需要回復が寄与して7部門中、電気機械と自動車の2部門が増加し、総計は63万3千289㌧で前年比0.6%増加した。ただ、昨年の水準が低いため、本調子にはほど遠い。(一部既報)
光ファイバ・ケーブルを含む光製品は、内外需ともに増加し総計は4千322万2千㎞C(同6.3%増)となった。4月、8月、12月を除き前年同月比プラスで推移した。主力の輸出は3千521万1千㎞Cで同3.0%増加した。中国・ベトナム向けが動き出したうえ、欧米向けなどが牽引した。国内は、通信事業者や民間などの光投資が増え、801万2千㎞Cで同23・2%増となった。
一方、金額ベースでは銅電線の総計は1兆2千653億3千500万円(同16.0%増)と大幅に増加した。昨年のベースが低かったうえ、銅価の高騰などが一部影響し、7部門全てが前年を上回った。電力も出荷量では前年比マイナスとなったが、金額は1千998億5千600万円(同26.5%増)で大幅に増加した。
光ファイバ・ケーブルを含む光製品出荷額は、出荷量に連動するように、総計が3千129億5千300万円(同4・8%増)となった。うち光ファイバケーブル・コードが720億3千200万円(同11・4%増)で大幅に増加した。
銅電線の主要7部門別出荷量では、プラスグループは電気機械と自動車の2部門のみ。
電気機械は、自動車の電装用途とセンサー類、FA・ロボットや工作機械向けなどが動いており、同8.1%増となった。1~9月はプラスで推移したが、後半、半導体やコネクタなど部品不足が顕在化し、10月、12月はマイナスとなった。
自動車は暦年上期に大幅増加した貯金もあり、同6.3%増となった。下期にかけて半導体や部品不足などが響いた。
一方、マイナスグループは、5部門となった。
通信は、携帯基地局用同軸が健闘しているものの、光化投資や半導体不足などが影響し、同11.2%減となった。
電力は、洋上風力発電向けなど再エネや高圧CVケーブル需要、保守メンテが一部動くものの、ほかはあまり動かず同2.9%減少した。
建設電販はコロナ禍に加え、銅価高や石化高の影響から上期が減少基調で推移したのもあり、同2.7%減となった。
その他内需は下期に民間の設備投資が持ち直したが、上期の鈍化傾向で同2.3%減となった。
輸出はコロナ禍の影響を受け4~5月、7~8月以外がマイナスとなり、前年並みとなった。

電線新聞 4270号掲載