太陽インキ製造は16日、「アドバンスドパッケージ用厚膜絶縁フィルム」が第18回JPCA賞を受賞したと発表した。
今回の受賞は、本開発品の低反りや高充填性、感光性を両立する技術力が評価され、太陽インキ製造による同賞の受賞は、昨年に続き3回目となる。
本開発品は、感光性フィルムとしては珍しい2層設計にすることで、低反りや高充填性、厚膜での感光性を両立した絶縁ドライフィルム。半導体アドバンスドパッケージでの封止層、層間絶縁層として期待されている。また、下層を高柔軟性に、上層をガラス転移点が高く固い組成にし、両層結合することで、封止層、層間絶縁層で問題となる、反り、高充填性と形状維持性の両立を可能とした。
さらに、厚膜であっても露光時の光を十分に深部まで透過させるように設計することで、露光現像工程できれいな形状のビアを空けることができます。スミアが発生しない露光現像工程でビアを形成することにより、環境負荷の高いデスミア工程を省くことができる。
同社は、デバイスの多様化・高機能化が進む中、半導体パッケージの小型・薄型化に加え、製造コスト低減に必要な半導体アドバンスドパッケージに本開発品を使用することで、ユーザの製造プロセスにおける生産性向上や歩留まり改善に貢献するとしている。
【JPCA賞概要】
日本電子回路工業会が主催・運営する「JPCA Show 21」の展示会全出展者が対象。電子回路技術および産業の進歩発展に貢献した製品・技術への表彰制度として05年に創設され、22年は4件が選出された。