掃除はロボットがしてくれる時代
近頃のファミリーレストランはロボットが食事を運んできてくれる。未来の話、SFの世界だと思っていたことが次々と現実化し、昭和世代はうろたえるばかりだ。掃除だってロボットがしてくれる。昭和30年頃は洗濯機、冷蔵庫、掃除機が三種の神器と呼ばれて庶民の憧れの的だったけれど、令和の今は4K/8Kテレビ、冷蔵庫(または洗濯乾燥機や食洗機)、ロボット掃除機が三種の神器なのだそう。
昔ながらの掃除道具といえば「ほうき」。部屋を掃くときは、湿らした新聞紙をちぎってばらまくのがコツだ。飲んだ後の茶がらも良い。それを掃くようにすると、チリやホコリを舞い上げないできれいに掃除ができる。なんていっても、“Z世代”は「はぁ?」だろう。ビンボー臭いと笑われそうである。「www」である。
ロボット掃除機の代名詞となった「ルンバ」が発売されたのは、21世紀に入って間もない2002(平成14)年のこと。そのユニークなネーミングと「iRobot(アイロボット)」というわかりやすい社名から、当初は日本の製品だと思っていた人も多いのではないだろうか。アイロボット社は米国マサチューセッツ州に本社を置く企業であり、マサチューセッツ工科大学で人工知能を研究していた科学者3人によって設立されたロボットメーカーである。ちなみに「ルンバ」とは、部屋の「ルーム」と踊りの「ルンバ」を合わせた造語なのだとか。
業務用もロボットが活躍
今では日本製のロボット掃除機も多種多様だが、工具メーカーなどは業務用のロボット掃除機を開発・販売している。使用場所はオフィスや店舗、倉庫、工場、道路、工事現場などさまざまで、家庭用に比べてバッテリー容量やゴミ収納スペースが大きいため、より長い時間稼働し、より広い範囲をきれいにしてくれる。電動工具メーカー「マキタ」の製品などは1回の充電でテニスコート3面分を清掃してくれるタイプもあるそうだ。
一回の充電でテニスコート3面分の清掃ができる掃除機
マキタ ロボットクリーナ『RC300DZ』
日本初の電気掃除機は110円也
芝浦製作所(東芝の前身)が開発
引用先:つくり続ける。とどけ続ける。“ニッポン家電誕生” |東芝ライフスタイル株式会社
掃除機の歴史を少しひも解くと、日本初の電気掃除機は1931(昭和6)年に発売された。これは東芝の前身である芝浦製作所が開発したもので、それ以前の1899(明治32)年にアメリカの企業が開発したアップライト型真空掃除機をモデルにした製品だという。東芝のホームページによると、「吸込用床ブラシとモーターが一体化した先端部には走行車輪がつき、軽く手で押すだけで掃除ができるよう工夫され」た画期的な家電製品なのだが、“ほうき”や“はたき”で掃除していたところにいきなり電気の掃除機は画期的すぎたのか、すぐには浸透しなかったようだ。ちなみに価格は110円。小学校教員の初任給の約2カ月分に当たる高級品である。
クイズタ~イム!
さて、何も当たりませんが、ここでクイズです。
Q 私たちが1日に出しているゴミの量は、次のどれでしょう?
①約500グラム
②約1キログラム
③2~3キログラム
A 答えは②です。
環境省が令和4年3月に発表した「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について」によると、私たちが1日に出しているゴミの量は1人当たり901グラム。およそ1キログラムものゴミを毎日捨てている。また、年間のごみ総排出量は4167万トンで、東京ドームに換算すると約112杯分になる。
ちなみに、人口50万人以上の都市で、ゴミの排出量が最も少ないのは京都市(758.9グラム/人日)である。
サッと掃除をして、デキる工事士に
マキタ 充電式クリーナ『CL280FDRFW(3.0Ah)』
電線や絶縁体の切れ端、木やコンクリートを切断した際のくずや粉じんなど、電気工事もいろんなゴミが出る。それらを手早くきれいにするには、やはり掃除機が便利だ。
業務用の電気掃除機は、前述のロボット掃除機もあれば、従来の手動のタイプももちろんあって、乾いた場所を掃除する乾式、濡れた床面などでも掃除できる湿式、乾湿両用、さまざまなゴミを吸引できる万能型といった種類がある。屋内の現場などには、持ち運びに便利な充電式のハンディータイプが重宝する。
テキパキ仕事をした後、サッと掃除をしてシュッと帰れば、それはデキる工事士だ。