住友電工は11日、東京本社で欧州連合(EU)欧州委員と、レドックスフロー電池のグローバル展開についての意見交換を行った。同社からは井上治社長ほかエネルギーシステム事業開発部、生産技術本部などが、EUからは環境・海洋・漁業を担当するヴィルギニユス・シンケヴィチュウス委員ほか欧州委員会、駐日欧州代表部の関係者らが出席した。
井上治社長は「レドックスフロー蓄電システムに関心を示してもらい、サーキュラーエコノミーに向けたグループの取り組みを紹介する機会をいただき光栄に思う。欧州が取り組んでいる成長戦略『欧州グリーンニューディール』においては、サーキュラーエコノミーを重要な基盤として位置づけ、カーボンニュートラルに向けたグローバルな機運が着実に高まりつつあることを深く認識している」と語った。
シンケヴィチュウス委員は「蓄電池は2030年には14倍の用途が見込まれている。蓄電池の製造には日本やEUで採取できない原材料が必要となる。製品は耐久性を持ち、再利用が可能な部品を使用することが大切だ。また、製品の設計から廃棄までのそれぞれの段階においてのリサイクル率の向上も必要だ。欧州全体での需要を考慮し、蓄電池に関する新しい戦略の提案も検討する」と語った。
意見交換ではほかに、コストダウンなどの課題、部品や材料のリサイクル・リユースの欧州地域での実施、などの話題が上がり、同社はこれらを踏まえ新製品の開発に取り組むとした。なお、今後の導入に関しての具体的な話題には触れなかった。