古河電工 ラマン増幅器用励起光源 ラインナップ拡充

 古河電工は、ラマン増幅器用励起光源FRL1441Uシリーズのラインナップ拡充を発表した。従来のC帯から帯域を拡張してS帯・L帯用途を追加し、4月からサンプル出荷し、9月から量産を開始する。これにより、S帯からL帯まで任意の信号光源を増幅できるラマン増幅器への部品供給が可能になる。

 同社は昨年、C帯700mWを開発したが、今回、S帯用途では高出力低消費電力駆動を重視して700mW品を開発し、L帯用途では低消費電力駆動(従来比33%減)を重視して500mW品を開発した。同シリーズの高出力低消費電力という特長は、必要になる励起光源を削減し、省スペース化と省電力化に寄与する。

 通信の高速化に伴い、信号受信側のOSNRの劣化による伝送距離の短尺化が課題となる中、信号光の品質を劣化させずに光出力を増幅するラマン増幅器の役割が重要になっている。また、大容量伝送を行うためには波長帯域の拡大が必要なため、励起用光源の波長を選択することで任意の信号光源を増幅できるラマン増幅器は、最も柔軟性が高い光増幅器となる。

 同社は、25年以上培ってきたInP系光半導体材料を用いた光半導体プロセス技術と、高精度のファイバ結合技術に加え、独自の低損失・高効率の半導体レーザ素子構造を採用し、高出力化・広帯域化を実現した。

電線新聞 4312号掲載