古河電工 海底送水管アクアレックス 沖縄の海底送水管を更新

古河電工は4月27日、沖縄県本部町~伊江島間の海底送水管を更新したと発表した。
この海底送水管は、全長約7㎞にわたって同県本部町と伊江島の間に布設され、布設から40年が経過していることから、老朽化が指摘されていた。そこで同社は、島内の水道水の安定供給を図るため、更新による新たな送水管としてポリエチレン海底送水管「アクアレックス」の布設を22年3月に開始し、今年3月に完了した。
今回布設したアクアレックスは、既設の鋼管に比べて工期やコストを抑制することができる他、二重鉄線がい装が採用され、波打ち際の波浪や岩盤区間での損傷に対して強度を有している。また、送水管の布設工事では、3Dソナー(超音波で海底内を3次元的に探知する装置)を使用。広範囲なデータをリアルタイムで取得し、複雑な形状を測定することで工期短縮・コスト低減を実現した。また、海底面の起伏に対応した設計を実現し、岩礁部を避けて布設することが可能となった。
同社は、1970年からポリエチレン製の海底送水管の納入を開始し、豊富な実績と優れた品質特性により、ポリエチレン製海底送水管・海洋深層水取水管において国内でシェアナンバーワンを誇る。
同社が取り扱う海底送水管・海洋深層水取水管は、ポリエチレン管の優れた可とう性、耐震性、環境性に加え、鉄線鎧装および防食層により、耐候性、耐食性、耐外傷性、高機械強度を兼ね備えている。また、布設船に直接船積みできる専用工場で送水管を製造するため、長尺管の製造と施工が可能だ。

電線新聞 4316号掲載