上:過去に実施したイベントの様子(堺市主催)
横浜国立大学発ベンチャー UNTRACKED※1と共同開発した「転倒予防ソリューション」を活用し、転倒リスク計測や継続的トレーニングによる改善効果を検証
シャープは、大阪府堺市(市長:永藤 英機、以下、堺市)およびUNTRACKED株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:神谷 昭勝、以下、UNTRACKED)の協力のもと、本年4月から6月に堺市北区の商業施設で3回にわたり開催される健康イベント※2において、日常生活における転倒予防に関する検証を実施します。
現在、国内の高齢者(65歳以上)において、日常生活や職場での転倒・転落などが原因で亡くなる方は交通事故死者数の約5倍となる年間約10,000人に達するなど※3、転倒予防への取り組みの重要性が社会的にも注目されています。
本検証は、当社とUNTRACKEDが共同開発した「転倒予防ソリューション」を活用して実施します。UNTRACKEDの立位機能検査装置「StA2BLE(ステイブル)」をベースに両社で開発した転倒リスク計測システムにより、参加者の転倒リスクを計測。計測結果に基づく評価レポートや個々の結果に応じた改善プログラムを作成し、参加者に提案します。この転倒リスク計測システムでは、ヒトが何かに触れていると安定する「ライトタッチ効果」の応用により、壁に手を添えている状態/添えていない状態を仮想的に作り出し、指先から足裏に感覚を切り替える速度を測定することで、転倒リスクを算出します。参加者は指先に測定器を装着し、立位のまま目を閉じた状態で手を振る動作を約1分間行うだけで計測完了。限られたスペースや時間での計測が可能です。参加者には、改善プログラムに基づき自宅で簡単にできるトレーニングに取り組んでいただき、計3回のイベントを通じてトレーニングの継続率や転倒リスクの改善率などを確認することで、改善プログラムの効果を検証します。
当社は、転倒予防の有用性の検証を通じ、社会課題の解決に貢献してまいります。
概 要
名称
場所
実施日
地域包括支援センターの健康イベントにおける
転倒リスク計測システムを活用した転倒予防の効果の検証商業施設「フレスポしんかな」内
特設会場
(大阪府堺市北区)2024年4月23日(火)
5月28日(火)
6月25日(火)※1 ヒトのメカニズムモデルと独自の確率的AI技術による効果的な人間支援システムを身近な装置として届けることを目指して設立された国立大学法人横浜国立大学(所在地:神奈川県横浜市、学長:梅原 出)発のベンチャー企業。詳しくはUNTRACKEDのWebサイトをご覧ください(https://www.untracked.co.jp/)。
※2 堺市北区新金岡地区周辺の住民を対象に、介護予防啓発を目的とした堺市の地域包括支援センターが主催するイベント。
※3 厚生労働省「2022年 人口動態調査 上巻 死亡 第5 31表 不慮の事故による死因(三桁基本分類)別にみた年齢(5歳階級)別死亡数」。
各者の役割
役割
シャープ
本検証の総合的な実施・運営、計測システムの開発、データ分析
大阪府堺市
健康イベントの開催、計測結果の説明
UNTRACKED
計測システムの開発、改善プログラムの提供
検証の流れ
・使用装置:転倒リスク計測システム(シャープ、UNTRACKEDによる共同開発)
・検証のフロー:転倒予防ソリューションについて
UNTRACKEDの立位機能検査装置「StA2BLE」をベースに、シャープとUNTRACKEDが開発した転倒リスク計測システムを用い、転倒リスク計測、評価レポート作成を実施。個々の結果に応じた改善プログラムを提案し、トレーニングと定期的なテストを行うことで転倒リスクの改善および現状の身体・感覚能力を維持します。
シャープは、2023年に本ソリューションに関する検証を社内で実施し、転倒リスク低減の効果があることを、社内アンケートおよび改善プログラム前後の転倒リスク計測結果比較により確認しています。この取り組みが評価され、厚生労働省主催の第2回「SAFEアワード」において企業等間連携部門のブロンズ賞を受賞しました※4。
※4 詳しくはSAFEアワードのWebサイトをご覧ください(https://safeconsortium.mhlw.go.jp/award/)。
改善プログラムについて
本計測で得られる身体機能と感覚機能の評価結果に応じて、個々に最適な改善トレーニングを提案します。本検証では、参加者にフィードバックする評価レポートに改善トレーニング内容を記載し、堺市の看護師から参加者に説明します。トレーニングを継続的に実施いただき、翌月の計測イベントで改善効果を確認します。
立位機能検査装置「StA²BLE」
横浜国立大学の研究成果に基づき、UNTRACKEDが独自開発した転倒リスクを計測する技術を用いた装置です。
本計測技術は、厚生労働省による令和3年度「高年齢労働者安全衛生対策機器実証事業」において、転倒リスク評価手法としての有効性が実証されています。
ヒトが何かに触れていると安定する現象の「ライトタッチ効果」を応用し、壁に手を添えている状態/添えていない状態を仮想的に実現。指先から足裏に感覚を切り替える速度を測定して感覚能力を評価することで、身体能力と合わせ、総合的に立位年齢(転倒リスク)を算出します。
(注)ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。
公式プレスリリースはこちら:日常生活における転倒予防の検証を大阪府堺市で実施