住友電工は5日、大阪公立大学が中百舌鳥(なかもず)キャンパスに新設した「イノベーションアカデミースマートエネルギー棟」に、レドックスフロー電池を納入したと発表した。産学官連携・共同研究の施設整備事業として、関西電力の制御システム「SenaSon」と連携し、スマートエネルギー棟の再生エネ率向上や、電力需要・太陽光発電の予測、AIを活用した蓄電池運用の最適化のための研究実証に利用される。
イノベーションアカデミースマートエネルギー棟は、文部科学省が支援する「地域中核・特色ある研究大学の連携による産学官連携・共同研究の施設整備事業」に基づいて整備された最先端の研究拠点。ZEB(ネット・ゼロ・エナジー・ビルディング)化を目指した省エネ・創エネ・蓄エネを担うスマートビルとなっている。
レドックスフロー電池は、制御システム「SenaSon」と連携し、太陽光発電の予測や電力需要に応じた充放電、さらにはBEMSに対するAIを活用した運用・制御最適化モデルの研究実証に利用される予定。
レドックスフロー電池は、火災リスクがきわめて低く、充放電による劣化がなく長寿命なため、ZEBや分散型電源に最適な蓄電ソリューションとして注目されている。
今回の納入事例は、再エネ最大活用に向けた産学官の共創モデルの先駆けであり、次世代エネルギーシステムの実証フィールドとして、地域の脱炭素社会の実現に貢献することが期待される。