SWCC「e-Ribbon」シリーズに16心タイプを新開発

 SWCCは20日、16心の間欠接着リボン「e-Ribbon」を開発したと発表した。

 光ケーブル内部の「1心」とは、独立した配線の単位で、数が多いほど同時に扱えるデータ量や信号数が増える。「間欠接着リボン」は一定間隔で接着された柔軟なリボン状光ファイバ心線のことで、同社は4心・8心・12心タイプの間欠接着リボン「e-Ribbon」と、それを用いた超多心細径高密度光ケーブルを製造販売してきた。

 今回新たに16心タイプを戦略製品として「e-Ribbon」のラインナップに加え、光ケーブルの細径化・軽量化・超高密度化を実現した。生成AIデータセンター市場や欧米のテレコム市場に向けて、第3四半期から販売を開始する。

 16心タイプのe-Ribbonは、単心光ファイバ並みの柔軟性を維持しつつ、多数の光ファイバを精密に接続可能にした。また、従来の光テープ心線が抱えていた、横方向への曲げの弱点も克服した。

 さらに、16心化により、一括融着接続できる光ファイバ数が増えるため、作業現場での工数削減や時間短縮が期待できる。また、データセンターで使用される多心一括接続コネクタへの適用も可能となる。

 生成AIの普及でデータセンターには大量のデータが流入し、高速な計算処理を担うGPUやネットワーク機器が集積している。その結果、配線密度が急増し、設置スペースや冷却効率、保守作業の複雑化といった課題が顕在化している。そのため、光ケーブルを細径化して、さらに高効率な配線を行えるようにする必要がある。

 「e-Ribbon」は、顧客の要望に応じたカスタマイズが可能で、16心化により、データセンター内の物理層インフラの進化に対応する。省スペースで高効率な配線ソリューションとして、今後はデータセンター間や内部での需要拡大が見込まれることから、増産に向けた投資も予定しているという。

 同社は、長年培ったコア技術と量産技術を武器に、拡大するデータセンター市場や、欧米を中心とした海外テレコム市場での需要に応え、情報社会の高度化に貢献していく方針だ。

電線新聞 4404号掲載