フジクラは9日、高温超電導線材の生産能力拡大に向け、56億円の追加設備投資を決定したと発表した。フュージョン(核融合)エネルギー開発の進展に伴い拡大が見込まれる需要に対応し、将来の安定供給体制を確保する。
同社は千葉県の佐倉事業所において、24年度に約60億円を投資し、27年度までに生産能力を従来の3〜4倍に拡張中だが、今回の追加投資で能力をさらに約2倍に引き上げ、世界トップクラスの規模を確保する。
高温超電導線材は、高温時でも超電導状態を維持し、極めて強い磁場を生成できる特長を持つ。発電時に二酸化炭素を排出しない次世代の発電方式として期待されるフュージョンエネルギー炉において、約1億℃のプラズマを閉じ込め制御する超電導マグネットの素材に用いられる。国内外で30年代の実現を目指す動きが加速しており、中長期的な需要拡大が見込まれている。
同社は長年、材料設計から量産技術に至るまで世界トップクラスの技術力を確立してきた。京都フュージョニアリングや米国企業への出資に加え、英国の核融合関連機関の選定を受けるなどグローバルに活動を展開している。今後も高性能な線材の提供を通じてさまざまな高温超電導機器の実現に寄与し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。
なお、同社の岡田直樹社長は同日開催された決算発表会において「今回の追加投資は核融合市場に加えて、超電導リニア用途など新市場開拓も見据えたものだ」とコメントしている。









