住宅用分電盤特集

メーカー各社の商品戦略

パナソニック エコソリューションズ社
HEMSと 接続で設定作業を簡素化
スマートコスモ マルチ通信型

HEMS対応住宅分電盤 スマートコスモ マルチ通信型

AiSEG用エネルギー計測ユニットは、同社HEMSのAiSEGとつながり、回路ごとの使用電力量を計測する機器。スマートコスモは、計測ユニットと同様の機能を搭載しHEMSと接続できる住宅分電盤。
昨年発売の「スマートコスモ マルチ通信型」は、施工性では電圧100V、200Vの計測設定を全回路で自動化し、施工現場での設定作業を簡素化した。
また、AiSEGとの接続において、特定小電力無線用と有線LAN用の1品種に統合し、製品の選びやすさが大幅に向上。有線LANで接続する際はECHONET Lite(エコーネットライト)での対応が可能となっている。
さらに、太陽光発電出力制御対象地域で必要となる太陽光ネットアダプタ機能を搭載している。
【特長】
1、電圧100V、200Vの計測設定を全回路自動化し施工性を向上
2、特定小電力無線用と有線LAN用を1品種に統合し製品の選定容易性を向上
3、太陽光発電出力制御に対応しシステム納入価格のコストダウンを実現

日東工業
利便性や施工性が向上
HCD形ホーム分電盤

HCD形ホーム分電盤

このほど、ホーム分電盤をモデルチェンジ。住環境に調和しつつ、さりげなくスタイリッシュなデザインで利便性・施工性が向上する。
【特長】
■利便性の向上
(1)ドア
ドアが二段階で開閉可能なため、操作時に天井まで開ける必要がなくブレーカの確認や操作が容易。
(2)負荷名称
負荷名称を上下2段にしてスペースを拡大。下向きに傾斜をつけたため見上げる際の視認性が向上。
■施工性の向上
(1)ドアカバー
左右のスライドラッチ構造でドアカバーの水平着脱が可能となり、ドアカバーの着脱が容易。
(2)背面
背面全面開口のため引込配線作業が容易。
(3)分岐ブレーカ
電線接続の妨げとなるボデー外壁を低くしたため手が外壁に当たらず電線接続が容易。
(4)取付ねじ
ねじが仮固定されているので壁面への取付けが容易(4カ所)。
■寸法・仕様の共通化
(1)フカサ寸法の統一
フカサ寸法を統一。奥行きがあるため配線の引込が容易となり分電盤を並べて設置した場合の見た目も統一される。
(2)ドア付↓ドアなしへの変更
設置後にドアを外すだけでドアなしタイプへの変更が可能。
■コンパクト設計
(1)ヨコ寸法の小型化
送り端子を廃止し従来品よりヨコ寸法を36㎜小型化。
(2)プラグイン端子台
プチスリム送り端子台を搭載し、送り配線が必要な場合に対応。
■設置後の拡張性
(1)感震ブレーカ
分岐回路数はそのままで感震ブレーカの取付けが可能。
(2)アディショナルスペース
分散型電源システム用ブレーカ、プチスリム送り端子台の増設が可能なアディショナルスペース付(分岐3回路分)を取揃える(HCD—F)。

テンパール工業
感震機能の後付け可能
感震機能付住宅用分電盤

感震機能付住宅用分電盤

震度5強相当以上の地震を感じたら、電気回路を自動で遮断する。作動時には「光」と「音」で知らせ、約3分後に主幹漏電ブレーカを遮断する。
感震機能付住宅用分電盤が内線規程で「勧告」「推奨」になった。大規模地震時における火災の発生状況は、阪神・淡路大震災は電気関係が約61%、東日本大震災は約65%と半数以上を占めている。
感震機能付住宅用分電盤パールテクトは、新築・リフォームに最適である。リミッタースペースなしとスペース付があり、分岐横二列タイプと分岐横一列タイプがある。
◇感震センサーユニット
既設の同社製住宅用分電盤に後から取り付けて感震機能を実現できる。㈰別置き用㈪パールテクト専用㈫パールミニ専用がある。
疑似漏電方式を採用しているので、施工が楽にできる。専用の主幹漏電ブレーカへの交換が不要で、タブ端子で接続が簡単である。
分岐部組込用は、超小型で分岐ブレーカ2個分サイズで、震動センサーとマイコンの組み合わせで動作が安心であるなどの特長がある。

〈各部の名称とはたらき〉
①感震動作ランプ
・地震波を感知すると赤色に点滅する
・テストボタンを短押しすると赤色に点滅する
②電源ランプ
・通常時は緑色に点灯する・停電時は消灯する
③リセットボタン
・ボタンを押すことで感震動作を解除する
・ブザーの鳴動と感震動作ランプの点滅を停止する
④テストボタン
・ボタンを押すことで感震動作機能をテストする
□主幹漏電ブレーカへの接続方法(別置きタイプ)
①主幹漏電ブレーカをOFFにする
②ES—BXを分電盤近傍に取り付ける
③付属の擬似漏電出力用の専用線と、本体の擬似漏電出力端子に接続する単心の電線を、付属の差込形コネクタで接続する
④擬似漏電出力にメールタブ端子を取り付ける
⑤主幹漏電ブレーカの電源側N端子ねじを外して、代わりに専用ねじで、㈬のメールタブ端子を取り付ける
⑥電源用分岐ブレーカからの配線および、擬似漏電出力線を本体に接続する。本体の端子カバーを取り付ける
⑦GBU・ECの場合は、専用端子カバー(EC用)を取り付ける

東芝ライテック
Nシリーズに 感震機能付を追加

TFNCB3E5−262MG

同社では、地震発生で起きる電気火災の防止に、震度5強相当の地震を検知し、主幹ブレーカを自動遮断する「感震機能付住宅用分電盤」を、小形住宅用分電盤Nシリーズに新たにラインアップし、発売している。

【主な特長】
①感震動作機能=震度5強相当の地震波を感知すると、3分間電源ランプが点滅およびブザーが鳴動した後、主幹ブレーカを自動遮断する。地震波感知から3分の間に停電が発生すると、復電時に主幹ブレーカを自動遮断する。停電後8秒以内に地震波を感知すると、復電時に主幹ブレーカを自動遮断する。
②リセット機能=地震波感知から主幹ブレーカが自動遮断するまでの間にリセットボタンを押すと、電源ランプの点滅ブザーおよび自動遮断が停止し初期状態に戻る。
③テスト機能=テストボタンを短押し(2秒以内)すると、3分後に主幹ブレーカを自動遮断する。テストボタンを長押し(2秒以上)すると、主幹ブレーカを即遮断する。

河村電器産業
「施工性」と「小型化」を重視
Ezラインスタンダードタイプ

Ezラインスタンダードタイプ フタ付 リミッタースペースなし

同社が発売しているホーム分電盤「Ezライン」(イージーライン)が注目されている。人手不足の時代を見据え、施工性などを重視した新しい発想のホーム分電盤で、これからの時代にマッチする。
同製品は、分岐ブレーカが下段側だけの横一列の配置となっているため、天井付近で手さぐりになりがちな上段側の結線を行う必要がなく、楽な体勢で施工することが可能。
また、一般的なホーム分電盤(分岐2列)と比較して高さが100㎜低く220㎜となり住宅内の設置場所の可能性が広がるなど「小型化」を重視しているのも特長の一つ。
開発背景には、国内の建設現場における慢性的な人手不足に対応するため、建設現場でのホーム分電盤の設置作業で手間と時間を少しでも減らすため、ホーム分電盤の施工性を徹底的に追求し、分岐ブレーカを横一列に配置した新商品を開発したもの。
今後は、施工の手間や時間が特にかかる集合住宅(マンション・アパート)での採用拡大に力点を置き、2019年度には同社ホーム分電盤全体の販売台数を前年度比10%増を目指す。

電材流通新聞2019年2月21日号掲載