【日本アンテナ】超高精度電波測定設備によるミリ波アンテナの性能評価を実施

アイキャッチ:中野名誉教授㊨と奥川生産副本部長

法政大学大学院と産学連携で

性能検証のもよう

日本アンテナはこのほど、法政大学大学院電磁波工学研究所と産学連携の取り組みの一環として超高精度電波測定設備「コンパクトレンジ測定システム」によるミリ波アンテナの性能評価を実施した。
近年、電子機器は情報通信技術の発展にともなってより一層の高性能化が進んでいる。とくに、電波によるデータ伝送に関しては、スマートフォンのさらなる利活用やIoT技術進展によって高い周波数を利用することで、より多くの電子機器が大容量のデータを高速かつ超低遅延に処理されることが望まれている。
今回の連携では、法政大学が開発したミリ波帯のアンテナの性能検証をコンパクトレンジ測定システムで実現する。

法政大学の中野久松名誉教授は、今回の連携について次のように語る。
「ミリ波のような高周波数帯域のアンテナを測定する際は、アンテナの大きさによっては、数十メートルの距離が必要となる。天候の影響を受けやすい屋外で行うことも多々ある。
たとえば、大学で同様の検証を実施する際は校内のビルとビルの間の空間を利用して行うが、雨が降っている場合にはその減衰を考慮する必要がある。したがって、測定結果の精度が落ちる傾向にある。
今回、コンパクトレンジ測定システムを設置した電波暗室で40GHz帯のアンテナ測定を安定した環境で行うことができ、さらに測定結果も想定していた結果となって大変有意義だった。
今後、通信業界は5Gの時代、そしてテラヘルツ帯の時代へと進む。新しい分野の技術を開拓していくためには、それに則した測定機器が必須である。
今後もまた、研究開発のため日本アンテナの設備を利用したい」

電材流通新聞2019年4月25日号掲載