4~6月期自社景況判断

7〜9月大・中堅企業 景況上昇へ

製造・非製造とも悪化 中小企業の回復は遅れる

内閣府、財務省がこのほど発表した4~6月期の法人企業景気予測調査(第57回調査)結果によると、現状の「自社の景況判断」は大企業、中堅企業、中小企業とも全産業で「下降」超となった。先行きでは大企業、中堅企業が7~9月期に「上昇」超に転じる見通しだが、中小企業は遅れて10~12月期に若干の「上昇」超に転じる見通しとなっている。

現状の「自社の景況判断」BSI(上昇から下降を引いた社数構成比)をみると、大企業は全産業で前回調査(1~3月期)のプラス3.3からマイナス2.0へ悪化した。製造業がプラス2.9からマイナス3.2へ、非製造業もプラス3.4からマイナス1.4へそれぞれ落ち込んだ。
7~9月期の見通しをみると、大企業全産業でプラス6.9へ急回復する。製造業はプラス8.0へ、非製造業もプラス6.3へ好転する。10~12月期の見通しは大企業全産業でプラス7.9、製造業でプラス11.2、非製造業でプラス6.2となっている。
中堅企業の現状は大企業に比べ低迷度は小さいものの、全体で前回のプラス0.8からマイナス1.0へ悪化した。製造業はマイナス2.6から同1.1へマイナス幅が縮小したが、非製造業はプラス1.8からマイナス1.0へ下落した。
7~9月期の見通しは、中堅企業全体でプラス6.1と回復する。製造業はプラス6.5へ、非製造業もプラス6.0へそれぞれ好転する。10~12月期は、中堅企業全体でプラス8.5を予想している。とくに、製造業はプラス13.9と大きく回復する。非製造業はプラス6.9となっている。
中小企業の現状認識は全体で前回のマイナス9.9からマイナス10.6へ一段と悪化した。とくに、製造業がマイナス8.0からマイナス10.1へ下落、非製造業もマイナス10.3からマイナス10.7へ若干の悪化。
7~9月期については、中小企業全体でマイナス3.3とやや回復するものの、いぜん低迷を見通す企業が上回っている。製造業がマイナス5.1、非製造業がマイナス3.0となっている。10~12月期見通しでは中小企業全体としてはプラス0.8とようやく「上昇」超に転じる。製造業はプラス3.4、非製造業ではプラス0.3と非製造業の見通しが厳しくなっている。
一方、現状の「国内景況判断」については、大企業、中堅企業は全産業で「上昇」超、製造業、非製造業とも「上昇」超で国内景気は順調とみている。ただ、中小企業は全体で「下降」超となり、製造業、非製造業を問わず、景気がかんばしくないと感じている。先行きでは大企業、中堅企業は7~9月期、10~12月期も「上昇」超で推移するが、中小企業は全体として全期間「下降」超で推移する見通しとなっている。中小企業製造業だけが10~12月でプラス1.3とやや「上昇」超に転ずる予想。
6月末時点の全産業の雇用状況は大企業、中堅企業、中小企業のいずれも「不足気味」超となっている。「従業員数判断」BSI(不足気味から過剰気味を引いた社数構成比)をみると、大企業全産業でプラス18・8、中堅企業全産業でプラス33・1、中小企業全産業でプラス29.5と、大きく「不足気味」超を示しており、中堅・中小企業の人手不足感が強い。
2018年度の全産業(金融・保険を除く)の売上高については、上期で前年同期比2.6%増、下期で同1.7%増、通期で前年度比2.1%増を見通している。製造業が3.0%増、非製造業が同1.7%増を見通している。
全産業(金融・保険を除く)の今年度の経常利益は、前年度比0.8%減を見通している。製造業が3.1%減、非製造業が0.4%増。

商経管材新聞2018年6月27日号掲載