【京セラ】蓄電池を活用した再エネ「自己託送」を実証実験

安定した再エネ電力の供給を実現

京セラ(株)は、7月1日より国内初となる蓄電池を活用した再生可能エネルギー「自己託送」の実証実験を開始したと発表した。

●実証実験の概要

実証実験では太陽光発電システム約150 kWの「野や洲す上かみ屋や 発電所」(滋賀県野洲市、写真1)を建設し、発電した再生可能エネルギーを関西電力の送配電網を通して、約2 km離れた京セラ滋賀野洲工場に供給する。
この「自己託送」の実証実験では、国内初となる定置型リチウムイオン蓄電池(写真2)を活用することで、発電インバランス※ 1 を吸収し、安定した再エネ電力の供給が実現できる。これにより送配電網への影響が排除できる。
さらに、工場側の需要インバランス※ 2 を低減させた高精度な需給オペレーションを、京セラ東京事業所に新設した需給管理センターで実行される。

※1 :発電事業者が一般送配電事業者に事前に申請した発電計画と発電実績の誤差
※2 :需要家と電力小売事業者間の電力契約と消費実績の誤差

●今後の展望

同実証実験を通し、需要拡大が予測される「自己託送」の事業モデルの確立を目指すとともに、地域と連携したレジリエント(柔軟性)で持続可能なスマートシティ、マイクログリッドの構築に取り組んでいくと今後の展望を述べた。

オーム社「電気と工事」2020年10月号掲載