労働者別の社会保険加入割合が大きく上昇
国交省は、公共事業労務費調査(平成29年10月調査)における、公共工事に従事する建設企業、建設労働者の社会保険加入状況の調査結果をまとめ公表した。
この調査結果から、労働者別の社会保険加入割合が大きく上昇したことがわかった。
●保険加入状況調査の結果概要
公共事業労務費調査とは、予算決算および会計令に基づき、公共工事の予定価格の積算を適正に行うため、毎年10月、国、都道府県、政令市等発注の公共工事に従事する建設労働者(約16万人)の賃金支払い実態を調査して取りまとめたもの。
今回の調査結果では、前年度と比べて加入割合は全体的に上昇傾向にあり、特に労働者別の3保険加入(雇用保険、健康保険、厚生年金)では、前年度は76%だったものが85%と大幅
に上昇した。
これは、国交省が官民一体となって進めている、建設業の担い手の確保と健全な競争環境の実
現のための社会保険加入対策が功を奏していると言えるだろう。
各保険加入の割合は、第1表のとおり。
●項目別の社会保険加入傾向
項目別の社会保険加入傾向は、第2表のとおり。企業別調査の県別の3保険加入状況では、岡山県が100 %と高く。青森県が89 %と低くなっている。
職種別での電工は、3保険加入では99%と全体の中では高いほうに属する。
労働者別調査では、石川県が94%と全国的にも高く、大阪府が70%と低くなっている。
職種別での電工は、3保険加入では97%と全体の中では高いほうに属するが、100%には
まだ達していない。
年齢で見ると、30 歳以上50 歳未満は加入率が高いが、60 歳以上65 歳未満が低い。
また職階別に見ると、職長の加入率は高いが、指導者以外の労働者の加入率は低くなる傾向がある。
●社会保険加入状況の推移
社会保険加入状況の推移は、第1図のとおり。
公共事業労務費調査(平成23年10月調査、平成24年10月調査、平成25年10月調査、平成26年10月調査、平成27年10月調査、平成28年10月調査、平成29年10月調査)における3保険加入状況を見ると、全体的に加入割合は上昇傾向にあり、地方別および次数別においても加入割合の差が縮まっている。