実務経験等に対する理解不足や不正対策
国交省は、施工管理技術検定の受検要件である実務経験年数を満たさない者が不正受検する事例が連続して発生したことを踏まえ、「技術検定不正受検防止対策検討会」を設置し、11月10日に以下の提言を公表した。
●申請ミスの防止策
① 根拠資料の保有の周知
実務経験の証明者となる企業に対し、証明に必要な根拠資料の保有を求めることを周知。
② 所属企業ごとの証明
所属企業ごとに実務経験の証明を求める方法へ見直し。
③「受検の手引き」の改善
受検者、証明者の申請ミスの防止のため、「受検の手引き」の記載内容を改善。
④ チェックリストの活用
実務経験証明において確認すべき項目や、間違いやすい項目をまとめたチェックリストを受検者と証明者の双方に提出を求める。
●虚偽申請の抑止
① 受検申請の電子化等
種目間の実務経験の重複チェックや、既存データベースを活用した実務経験確認などを目指し、技術検定の受検申請についての電子化の取り組みを加速化。
② 試験問題の見直し
実地試験における経験記述で、出題分野や設問内容の多様化を進めることで受検者が模範解答例の暗記では解答できないような問題へと見直しを検討。
③ 立入検査の実施
建設業法令遵守推進本部活動に基づく立入検査において、実務経験の企業の証明についても検査対象とする。
④ 企業名公表
企業による証明の重大な不備や、不正に資格を取得した者の現場配置などで、社会的な影響が大きい事案が確認された場合は、国交省が企業名を公表。
⑤ ペナルティ強化
建設業法に基づく監督処分の厳格化や罰則の適用の可能性について検討。また、公共工事における指名停止についても、より長期間の適用を検討。