全国で建設・計画されている超高層マンション(20階建て以上)は約10・9万戸あることが不動産経済研究所(社長髙橋幸男氏)の調べでわかった。
同社の調査によると、2018年以降に完成を予定している超高層マンション(18年3月末現在)は294棟、10万8757戸で、1年前の前回調査(17年3月末時点)に比べ54棟・1万6471戸増加した。
完成予定は18年50棟・1万2104戸、19年68棟・1万9115戸、20年59棟・2万848戸、21年26棟・8652戸、22年以降91棟・4万8038戸。
首都圏で18年以降に完成が予定されている超高層マンションは、181棟・8万303戸で、全国に占めるシェアは74%。前回調査時より19棟・7784戸の増加となり、増勢基調を強めている。うち東京23区は124棟・5万5570戸で首都圏全体の約5割を占める。
近畿圏は47棟・1万3811戸で、前回調査時に比べ13棟・3238戸増加した。近畿圏のシェアは13%で、うち大阪市内は30棟・8737戸(シェア8%)。
その他の地区で18年以降に完成する超高層マンションは福岡県20棟・5262戸、北海道10棟・2560戸、愛知県11棟・1530戸、広島県2棟・855戸、宮城県4棟・738戸など。
超高層マンションは、2008年のリーマンショック以降のマンション供給計画が縮小する中、企画から販売終了まで時間がかかり、経済変動に対応しにくいところから09年の約3万5600戸は翌10年に約1万8000戸へと一挙にダウン。その後、東日本大震災の影響などもあって減少傾向にあったが、12年には増加に転じ、アベノミクスがスタートした13年には2万戸近くに回復した。14年には1万1355戸に再び落ち込んだものの、15年には2万戸台に回復した。16年は一服して34棟・1万2104戸に落ち込み、17年は棟数こそ40棟と増えたが、戸数は1万1373戸とやや減少し、18年は棟数(50棟)が増加し、戸数(1万2104戸)も16年水準に回復する見込みとなっている。
今後、首都圏や湾岸エリアなどを中心に超高層大規模開発や複合再開発プロジェクトなどが数多く控えていることから、同社では20年には2万戸突破が見込まれるとしている。